都市に緑、人にやすらぎを

樹木医からの一言

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樹木医からの一言

(1)古代文明から学ぶこと

 「なぜ自然を守るか」という問いに対しては、古代文明の繁栄と衰退がそれを物語っている。

 現在のイラクにあたる地域に栄えたシュメール文明は、チグリス川及びユーフラテス川流域の洪水多発地帯で興り、紀元前3500年頃から都市国家が成立していたといわれている。メソポタミアを繁栄に導いたのは、洪水によってもたらされた肥沃な大地とその背景にある豊かな森林が支える農業力にあった。しかし、人口が増えるにしたがい、農地や居住地を求めて人々は、森林を伐採していった。大規模な森林の開拓が土壌の荒廃と侵食を招き、気候を乾燥化させた。乾燥化が進む状況下で灌漑を続けた結果、土壌に塩類が集積し、作物が育たなくなる塩害が発生した。紀元前2000年頃には、大麦の収穫量が極めて減少し、この時期を最後にシュメール文明は滅亡した。

 古来、繁栄した文明の多くは、豊かな森林地帯と豊富な水資源を背景に発展しながら、人口の増加によるバランスを超えた過剰な自然資源の搾取により、健全な生態系を喪失させた。生態系の崩壊とともに文明自体も衰退の道を辿っている。

 このような過去の文明の繁栄と衰退は、人類の社会がどれだけ自然環境に依存しているかということだけでなく、自然環境が回復不可能なまでに破壊されたとき、文明は自然環境とともに滅びるということを示唆している。

 今日、人口爆発、温暖化、オゾンホール、酸性雨などのさまざまな地球環境の問題が表面化している中、今までのような経済活動を継続していけば、環境へ多大な悪影響を与え続けていくことになる。健全な生態系を失うことは、子孫の未来を奪うことに等しいのである。

(2)今、問題になっている大事なこと

①種の絶滅

 生物の歴史において、膨大な数の種が絶滅した。しかし、過去2億年の脊椎動物の平均絶滅率は、あの恐竜の大絶滅を含めてもせいぜい一〇〇年に90種ほどだったと推定されるのに対し、現在では一年に4万種という桁違いの速さで生物種が消え去っている。その主な要因が人間の活動の影響によるものであることはいうまでもない。あわせて多様性の問題が緊急の問題として浮かび上がっている。原因は、環境の多様性の消失であり、生物相互関係の乱れである。レッドデータブックが、具体的に現状を警告している。

②外来種の問題

 自然界における生物個体群は、それぞれが生態系におけるニッチ(生態的地位)を持っている。ニッチの確立には、安定した多くの生物種との相互関係や物理化学的な環境が維持され、さらに長い時間が必要である。近年の急激かつ無秩序な外来種の侵入や意図的な導入は、長い時間かけて築き上げてきた生態系を、大混乱に陥らせている。生命誕生以来の歴史を考えてみても、これほどの混乱はなかったのではなかろうか。

③温暖化の問題 

 温室効果ガスの問題は人間が引き起こした物質循環の乱れが原因のひとつと分かっている。しかし、当面の快適な生活を捨てることができないため、事態は一向に解決しない。地球規模の環境問題と地域や個々人の行動との関係を理解することが、解決の道である。

(3)土壌について

 土壌浸食(エロージョン)とは、風雨により土壌が流されることをいう。自然においても発生するが、むしろ人為的影響により発生しているものが多く、浸食速度は表層土壌の形成速度をはるかに上回っている。

 過剰な生産を行っている農耕地では、作物が栄養分を奪い取ってしまうため、いくら化学肥料などで外から補給を続けても土壌が疲労し、団粒構造が失われ土壌が浸食されてしまう。また表層土壌の過剰な耕起や攪拌は、土壌の生物的酸化を促進させるため、土壌中の有機物が減少し土壌浸食も起こりやすくする。

 浸食によって表層土壌が失われると、植物が生えていない部分は風や雨で表層土壌が失われ、生産性が低下し、その土壌を覆う植物の生育も制限される。この結果、土壌浸食がますます進行するという悪循環が起こる。植物が生い茂る熱帯地方の土壌は非常に豊かに思われるが、実際には有機物の分解と植物への再吸収のサイクルが早いため、土壌は非常に薄く森林伐採などで急速に侵食が進行してしまう。

 乾燥地帯での大規模な灌漑では、水路の維持や排水の管理が適さない場合に塩類化を引き起こすことがある。これは、乾燥地帯では、土壌表面から蒸発する水の量が降水量より多いため、地中の水の流れが下から上に向かい、地下水や灌漑水に含まれる塩類(炭酸カルシウムや塩化ナトリウム等)が地表近くに集まるためである。

 塩類化と同様、砂漠化も世界規模で深刻な問題となっている。砂漠化の原因は、気候的な要因のほか、家畜の過放牧、休耕期間を十分に設けない過剰耕作、過剰伐採といった人為的影響も大きい。

(4)地球温暖化と低炭素社会

 近年、気候が急激に変化している。この変化は人為的な温室効果ガスによるものであることはほぼ間違いなかろう。このような状態がずっと続けば、人類の生存基盤である地球環境に多大の影響を与えることは明白である。

 今後、人類が引き続き化石燃料に依存しつつ、高い経済成長を目指すならば、今世紀末には、地球の平均気温の上昇は、4度に達すると予測されている。そうなれば、地球上の各地の生態系は、こうした急激な変化に対処することが出来ず、死滅の道を歩むことになる。動物は北上することも出来ようが、植物は移動出来ないから尚更大変である。

 なぜこうした事態が起こってしまったのか。それは二酸化炭素の排出量が自然の吸収量を大きく超えているためである。人類が化石燃料の消費によって毎年排出する二酸化炭素の量は約70億炭素トンであり、今後さらに増加すると予測されている。一方自然界が1年間に吸収できる二酸化炭素の量には限りがあり、人為的な排出量のうち約30億炭素トンにとどまると推定されている。

 気候を安定させて悪影響の拡大を防ぐには、人類全体が排出する温室効果ガスの量と吸収量のバランスをはかる必要があろう。

 途上国と比べると、数倍の排出量を行っている日本を含む先進国は、今後次世代の未来を損なわないために、「低炭素社会」の実現にむけて早急に行動を起こすことが求められている。

 私たちも他人事ではないが、もともと二酸化炭素が98パーセントの原始大気に酸素を提供したのは植物。酸素とともに出来たのが光合成生成物、いわゆる現植物体、その集合体として森林等、古の風化したものとして化石燃料、要するに燃えるものすべてであろう。つまり、燃えるものすべてを燃やすと、地球上から酸素がなくなるということになる。

 今のように森林を伐採して、化石燃料を消費すればどうなるか、結果は見えている。恐竜でさえ1億数千万年栄えた歴史があるなかで、高等動物であるはずの人間が、わずか300~500万年の歴史の幕を閉じようとしているのは言い過ぎであろうか。

(5)根系について

 根は植物の地上部を支え、水分や養分を吸収する機能を持つものとして発達してきた地下器官であり、地下部全体を根系という。根系をなす部分はいくつかに分けられる。幹と根の接続部分を根株といい、太い塊状をなし、根系全体の重量の約半分を占める。根系の骨格をなす太い根を主根といい、垂直に伸びる直根、水平方向に発達する側根、両者の中間的な心根に分けられる。

 また、主根から分岐したやや太い根を副根という。副根からさらに分岐したひげ根や白根を細根といい、水分や養分の吸収をつかさどるので吸収根ともいう。ただし、吸収根として機能できるのは短い場合は数日、長くても十数日とごく限られており、生育期間中は常に新しい吸収根を発生させ続けると同時に、多くの根を枯死させている。先端には根冠と呼ばれる保護組織があり、伸長する根と土壌粒子との摩擦を防いでいる。
 
 根系は樹種によって特有な形があるが、直根のとくに発達するものは、深根性樹種(マツ・モミ等)と呼ばれ、直根の発達が悪いのが浅根性樹種(広葉樹に多い・ヒノキ・カラマツ等)である。

 根の発達は、土壌の性質、特に土壌層が浅いか深いか、硬いか柔らかいか、土壌水分、水位の高低などに影響を受けるが、根の主要な分布域は表層土壌であって、地表下三〇~四〇cmに全根量の約80%が分布する。根の発達は地上部のそれと平衡的であり、地上部(T)と地下部(R)の重量比(T/R比)は通常3程度である。なお、根には空中の枝や幹から、また地中の根から空気中に出るものもあり、気根という。枝から垂下するもの、幹から出た蛸足状の支柱根や、板状に発達した板根など形態は様々である。

 地上部(幹・枝葉)の総重量3トンの樹木の場合、根系の総重量は1トンであり、そのうち根株が半トン、根株以外の根系の合計が半トンということになりますが、現場に詳しい皆さん、如何でしょうか。尤も自然樹形を保っている樹木の場合には該当するでしょうが、強剪定された樹木(例えば街路樹等)には、少し無理があると思います。

(6)土壌とは…

 土壌とは、岩石が下界の影響によって物理的あるいは化学的な風化作用を受け、それに動物や植物の遺体が加わり、さらにその遺体が土壌生物の作用を受けて互いに混じり合い、一体となり、その与えられた環境で安定した状態(平衡状態)に移りつつあるか、平衡状態に達した自然物である。単なる岩石が細かくなったものではなく、無機物と有機物の複合であり、様々な層構造を持つ。

 森林土壌では地表面を覆う有機物層があり、多くの異なった植物が同じ場所に共存している。土壌の表層に分解の進んでいない落葉の層がありL層(落葉層)とよぶ。その下に分解のより進んだ有機物層があるが、これは分解程度によってF層(粗腐植層)、とH層(腐植層)に分けることができる。有機物は土壌の表層で比較的多く混入しており(A層)、混入の少ないB層と分けることができる。B層の下部には岩石が風化して粒子となったC層があり、その下には岩石がある(R層)。有機物層からは腐植酸などが移動して土壌で粘土鉱物に吸着され、より安定な有機物として存在する。

 土壌は植物に必要な栄養塩類をどのように蓄えているのだろうか。土壌はイオン交換体であり、イオンの形で土壌水に溶解した元素や化合物を保持したり、交換したりする。この土壌の持つイオン交換能が土壌を植物栄養の場としている。植物に必要な必須元素はほとんどがイオンの形で根から取り込まれる。土壌が溶液中のイオンを吸着するためには、土壌の粒子が電気的に荷電していなくてはならない。土壌の陰荷電は粘土鉱物や腐植によって担われている。したがって、非常に風化が進んだ土壌を除いて通常土壌表面は全体として負に荷電している。また、腐植も負の荷電を持つので、土壌では陰イオンの吸着に比べて陽イオンの吸着サイトが多い。

 土壌は鉱物や有機物がただ漫然と集まったものではなく、複雑な構造を持っている。土壌は鉱物などの固体以外に液体(土壌水)、気体(土壌中の隙間)からなっている。土壌孔隙は土壌のかなりの部分を占める。

 また土壌では二酸化炭素濃度が高く、酸素濃度が低い。これは植物は根でも呼吸をしており、他の従属栄養生物とともに酸素を消費するからである。

(7)土壌生物

 土壌生物は、土壌微生物と土壌動物に分けられる。土壌微生物として、細菌(バクテリア)とカビ(糸状菌)があげられるが、さらに原生生物を微生物に 含める場合がある。土壌の物質循環は、基本的に微生物によって担われている。

 細菌は最も起源の古い生物で、核が膜で囲まれていない原核生物である。栄養の取り方が様々であり、無機栄養と有機栄養とを含む。細菌は土壌動物の体 内や排泄物中では活発な活動を行なっている。多くの細菌は従属栄養生物であり、土壌では植物の枯死体や根からの有機物、動物の死体や分泌物などを利用している。

 カビは細菌よりも酸性の環境により強く、森林土壌で優先している。カビは真核生物で、細胞が長くつながった糸状の菌糸を伸ばし、途中で枝分かれし た先端などに、分生胞子を作る。カビの中には腐生性のものから植物や動物の寄生性、そして菌根菌とよばれる共生性のものが含まれている。

 土壌動物とは土壌に生息する動物すべてを指す。体の幅が0.1ミリメートル程度より小さい微小な動物は、小型土壌動物とよばれ、土壌の液相の部分に生 息している。体が小さいので、水膜に体を浸している。原生動物や線虫などである。多くは土壌水中の溶存有機物や細菌、カビ、藻類を摂食している。

 2ミリメートルまでの体幅の動物は中型土壌動物とよばれ、トビムシやダニ類などの小型の節足動物が多い。土壌中の孔隙を移動することができる。ト ビムシは生息場所のまわりの有機物を区別せずに食べることが知られているが、土壌表層ではカビや藻類を選択的に食べている。

 2ミリメートルよりも体幅が大きくなると、土壌に自分で孔を掘らないと移動できなくなる。ミミズやヤスデ、ダンゴムシの仲間を大型土壌動物とよぶ。 土壌表層の落葉層は間隙が多いので、落葉層にすむ大型土壌動物が多い。ミミズは、落葉、腐植、土壌を食べ、現存量の多い土壌動物である。ムカデは一 般に捕食性であるが、ヤスデは落葉や腐植、そして土壌を食べる。

 さらにモグラやネズミなど、土壌に生活する脊椎動物はこれまでみてきた無脊椎動物に比べると格段に体が大きいので、巨大土壌動物とよぶ場合もある。 ミミズなどの重要な捕食者であり、腐食連鎖と捕食関係でつながっている。

(8)樹木治療における考え方

1.樹木はその与えられた環境に適応し、常に最適な状態にしようと樹形を作っているので、樹形を丹念に読み解くことにより樹木の健康状態や考え方を知ることができる。

2.樹勢の維持回復にはエネルギーが必要であり、そのエネルギーは葉や枝における光合成によりつくられる糖に依存している。

3.樹木には無駄な枝葉は一つもない。

4.腐朽部は、すでに材質腐朽菌が食べ尽くした後であり、そこを取り除いても腐朽防止の点からは意味がない。

5.まだ固い変色部分は材質腐朽菌が最も活動している部分だが、そこを削り過ぎるとシャイゴ博士らのいう防御層あるいは障壁帯を傷つける危険性がある。

6.幹の空洞化は材質腐朽菌とシロアリ・アリなどの昆虫により、材が食べ尽くされた部分であるが、空洞化しているということは、障壁帯(壁4)が完成していることを示す。

7.樹幹の切断部分に雨水進入防止の鉄板を被せることや、モルタルや硬質ウレタンを塗布することは、腐朽防止の観点から意味がない。

8.雨水が溜まったウロは、材質腐朽が進行することはない。かえって水を抜くことにより、防御層を破壊し健全部を傷つけることになる。ウロに水が溜まるということは、腐朽部と健全部が完全に区画化され、水も漏らさぬ状態であることを示す。水が溜まっていれば、材質腐朽菌は酸欠のために活動ができない。

9.腐朽部へのアリの侵入は空洞化を促進するが、アリは腐朽菌糸を食べるので、材質腐朽はかえって遅れるか阻止される。アリが健全な材を食害するという事例は日本では報告されていない。

10.栄養液の樹幹注入は、材質腐朽や胴枯れ性病害の発生を促すことがあり要注意。樹幹注入後は必ず材の変色が生じる。

11.堆肥のマルチングは即効的な樹勢回復策であるが、同時に深くまで根が入ることのできるような土壌改良と併用すること。マルチングだけでは吸収根が地表近くに集中し過ぎ、乾燥害を助長することがある。

12.発根促進には堆肥が最も効果的である。

(9)「マツ枯れ」について その1

・2・3000前頃に稲作が始まり、食料・生活の安定と共に人口が増加、周辺森林の開墾・破壊が始まる。

・花粉分析によると、アカマツ・クロマツが増加してくるのは約1500年前頃からであり、山地の斜面などの森林を伐採、焼き畑農耕(雑穀類、マメ・イモ類等)が進行、数年の栽培活動の後放棄、荒れ地となりアカマツの急速な侵入をもたらす。

・アカマツやクロマツは細根の部分に菌類が共生する「菌根」を形成することによって、養分の少ない土地に生育できる樹種である。

・植生の中で優占するようになるのは500年前頃(室町・戦国時代)である。二毛作が普及し、農業が大いに発達した時代である。これらの社会的変革が、薪や堆肥にする落ち葉を採集するなど、森林からの収奪を促してアカマツの生育適地を作りだし、その優占をもたらす背景となった。

・ところが土壌が富栄養化すると、雑菌がはびこり、菌根菌が衰弱し、養・水分をめぐる競争で広葉樹に後れをとる。

・荒れ地に先駆的に侵入したマツ類は、人手が入らなければ次第に広葉樹等に置き換わり、やがて照葉樹林のような極相林に移り変わる。この現象を遷移と呼ぶ。

・幕藩体制が整う17世紀以来、海岸の砂防事業が各地で進められ、これによりクロマツの人工林が次第に日本の海岸保安林を形成した。

・「マツ枯れ」の最初の記録は、明治38年(1905年)、長崎市周辺で調査した資料による。同時期に福岡県でも被害が発生、数年後鹿児島県の吹上浜、大正3・4年(1914・1915年)頃には本州に飛び火。

・太平洋戦争中の森林の荒廃は甚だしく、戦後の被害の急増をもたらす温床となった。戦時中は、軍事施設を望む周辺マツ林への立ち入りを厳しく制限したことにより、発生源をみすみす温存することになった。

・戦中戦後、大量のマツ丸太の移動にまぎれて被害材が搬送されたため、戦後「マツ枯れ」は九州、中国、四国、近畿から関東におよぶ27都府県に広がり、その被害量も72万立方メートルに達する。

・戦後、ことの深刻さに連合軍最高司令部は、防除法を勧告。絶対的権限を背景に林野庁は強力な防除行政を断行。被害木を伐倒、その皮を剥ぎ焼却。その効果は顕著であり、被害は急速に鎮静化。理由は駆除作業を徹底したこと、労働力が充分に確保できたこと、枯れマツが燃料として飛ぶように売れる社会状況があったこと等。

(10)「マツ枯れ」について その2~穿孔性甲虫類と樹木~

・主としてキクイムシ科、ゾウムシ科、カミキリムシ科に分類され、樹皮下に孔を開け、坑道を穿つ。これらの昆虫は、材やそこに繁殖する菌類を餌にしている。

・樹木の旺盛な防御反応を突破して健全な木(生立木)を加害する害虫を一次性害虫(スギカミキリ等)と呼び、他の原因で衰弱した木や伐倒木のように、防御反応が低下した樹体しか加害できない害虫を二次性害虫と呼ぶ。大部分の穿孔性昆虫は二次性害虫である。

・樹木の材は、セルロースとヘミセルロース、リグニンと呼ばれる三つの高分子物質から構成されている。これらはいずれも、生物が消化・分解しにくいうえ、ほとんど窒素が含まれていない。窒素は、生命活動に不可欠のタンパク質の構成要素である。

・炭素と窒素の比率はC/N比と呼ばれ、一般にこの値が小さいものほど、すなわち窒素の割合が高いものほど、食物資源として質が高いと評価される。

・材の中には、炭素源は有り余るほどあるが、窒素は少ししか存在しない。このため樹幹を攻撃する害虫といえども、材だけを食餌源にしていては生きていけない。

・穿孔性甲虫類のうち「樹皮下甲虫類」(バークビートル)は、内樹皮という形成層を含む生きた組織を主に摂食することにより栄養を充たしている。この組織は細胞質をたっぷり含んだ生細胞からなるため、樹木組織では珍しく、栄養分に富んでいる。

・一方樹木は、忌避作用や毒作用のあるモノテルペン類等の精油成分や、タンニン、ポリフェノールなどを蓄積して害虫の攻撃に抵抗している。なかでも針葉樹の場合、有効な防御手段は樹脂(やに)の分泌である。

・ 樹皮下昆虫の幼虫が樹皮部を食害していくと樹脂に取り囲まれ、大部分の幼虫は死んでしまう。

(11)「マツ枯れ」について その3~穿孔性甲虫類と樹木~

・一次性害虫のあるグループは樹木の抵抗性を打破するため、多数の成虫が同時に樹幹の特定の部位を集中攻撃する「マスアタック」という戦略を発達させた。マスアタックを可能にしているのが集合フェロモンという信号物質である。

・マスアタックを受けると、樹木の方では防御用の樹脂が枯渇してしまい抵抗力を失うので、キクイムシの幼虫は危険にさらされることなく、樹皮下の栄養分豊かな形成層付近を食害できる。

・二次性害虫である大部分の樹皮下キクイムシは本来マスアタックの習性は持たないが、風害や食葉性昆虫の大発生などで衰弱木が大量に発生すると、その上で個体数を急増させ、結果的に周辺の健全木にマスアタックすることになる。これが「二次性害虫の一次性害虫への転化」である。

・また、樹木の抵抗力を封殺するために、病原性のある青変菌類と共同歩調をとることがある。青変菌とは、樹木の辺材部を侵し、材を青黒く変色させる一群の子嚢菌類のことである。

・これらの菌は侵入部周辺の生きた樹木組織を殺し、辺材部に侵入し一か月程で辺材部に広がり、水の通導を止めさせ樹を衰弱させ、抵抗反応を抑え込む。

・多くの穿孔性甲虫類は、材の中で例外的に栄養分に富んだ樹皮下の組織を利用している。いわゆる樹皮下昆虫である。しかし材のこの部位は競争者が多く、また樹皮直下であるため外部からの寄生性昆虫の攻撃にもさらされやすい。

・もっと材内深くに潜り込んで生活できれば安全この上ないが、窒素分の枯渇という問題がある。

・腐朽材を利用する昆虫達が、材と微生物の混食という方法でこの問題を克服しているが、腐朽材は競争者や天敵が多いニッチェでもある。

(12)「マツ枯れ」について その4~穿孔性甲虫類と樹木~

・マツ枯れに関与している可能性のある昆虫として、4種のキクイムシ、3種のゾウムシ、マツノマダラカミキリの計8種が重要害虫として挙げられたが、実験の結果は、これらの害虫には一次性害虫の能力がないことを強く示唆するものであった。

・枯死したマツの材中から線虫が発見されたが、この線虫はブルサフェレンクス属の線虫で、九州の各地の被害木から検出され、マツの根幹枝に寄生しており、各組織の靭皮部や木質部の仮導管、樹脂溝、髄線中に発見される。

・病原体である線虫がマツ樹体に侵入後、侵入部位以外からはほとんど分離できないほどその数が低密度であるうちにすでにマツを発病させ、松ヤニ分泌が異常になる。病徴が驚異的な速度で進行する。

・昆虫の気管系の開口部は「気門」と呼ばれ、胸部に二対、腹部に八対あるのが原則であるが、マツノマダラカミキリの場合は、腹部には七対。

・マツノザイセンチュウは、腹部の最も前に位置する腹部第一気門と、二対の胸部気門を主たる入り口として、その気管系内に侵入する。

・気管系の内部に侵入する線虫は、耐久型(分散型第四期)幼虫と呼ばれる特殊ステージになっており、まったく栄養摂取しない「静止状態」にある。つまり、カミキリを移動のための手段として利用している。

・一頭のカミキリの虫体に、多い場合には20数万頭といった高密度の線虫が潜んでいることがある。これらの線虫はその気管内で、すべて頭部をカミキリ虫体の内部に向けている。

(13)「マツ枯れ」について その5~穿孔性甲虫類と樹木~

・健全なマツ樹にマツノザイセンチュウが侵入できる門戸は、摂食痕しかない。産卵は、すでに発病したマツ樹にしかできないので産卵痕ではない。

・昆虫の中には、羽化して成虫になった後はほとんど摂食しない種類が多い(繁殖活動に専念)。マツノマダラカミキリは成虫になった後も、盛んにマツ類の若枝の樹皮をむさぼり食う。このような、成虫が行う摂食行動を「後食」と呼ぶ。

・羽化後もさかんに若枝の樹皮を摂食し続けることにより、初めて生殖線が成熟し、次世代を残すことができる。

・摂食中のマツノマダラカミキリの気門から出てきた多数の線虫がカミキリ体表を移動し、やがてその尾端に白い塊状に集合し、摂食しているカミキリの尾端がマツの若枝の表面に触れると食痕の上にこの線虫の塊が塗り付けられる。

・毎年五月から七月にかけて、前年度に枯死したマツ材からマツノマダラカミキリが羽化脱出してくる。このとき、その体内には多数のマツノザイセンチュウを宿している。このようなカミキリは成虫とはいえまだ生殖腺(卵巣や精巣)が成熟しておらず、羽化後も健全マツの栄養分豊かな若枝の皮を喰い続けて性的に成熟しなくてはならない。

・カミキリの気管系に潜んでいた多数の線虫は、マツの若枝につけられた後食痕へと乗り移り、マツの樹体内に侵入する。侵入したマツノザイセンチュウは樹体内に広がり、やがてマツ樹は発病する。

・林内で性的に成熟した雌雄のカミキリはこのような発病マツに誘引され、幹の上で交尾、産卵し次世代を残す。やがて、夏の高温と乾燥期を経て病徴は一段と進み、夏の終わりから秋にかけて針葉の色は黄色から赤褐色へと変化し、木は枯死する。

・ この頃、樹体内でマツノザイセンチュウは大増殖し、材片一グラム当たり数千から二~三万頭のレベルまで密度を増す。一方、樹皮の下に産みつけられた伝播者カミキリの卵は一週間ほどで孵化し一齢幼虫となる。さらに、樹皮下の組織や材を旺盛に摂食しながら一齢から二齢、三齢へと脱皮を繰り返し、成長していく。

・秋口になると、樹皮下と材を行き来していた幼虫は四齢幼虫となって材深く穴を穿ち、その穴の入り口に材の喰い滓の栓をして越冬の準備をする。

・翌春、気温が上がると再びカミキリ幼虫は成長を開始し、やがて五月頃には蛹へと変態する。約二週間ほどで、蛹の時期を終えたカミキリが羽化するころには、マツ樹はすっかり枯損してしまっている。

・新しく羽化した成虫たちが後食を始めると、また新たな感染サイクルが動き出す

(14)「マツ枯れ」について その6

・マツノザイセンチュウは病原力があるからこそ、健全なマツに侵入して次世代が残せる。つまり侵入後そのマツを発病させ、枯死に導くことができるので、そこに運び屋マツノマダラカミキリを誘い、産卵を促すことができる。

・マツノザイセンチュウに近縁でありながら、病原性のほとんどない、ニセマツノザイセンチュウという線虫がいる。

・マツノマダラカミキリの蛹室にはマツノザイセンチュウを集める条件がそろっている。カミキリの虫体から出る排泄物や分泌物は蛹室壁に豊かな栄養分と適当な湿り気を与え、青変菌など微生物の繁殖を促すことになり、結果的にそれらの菌類を餌とするマツノザイセンチュウの集合と増殖をもたらす。

・蛹室内で成虫になったマツノマダラカミキリは、そのまま三~七日間この蛹室内にとどまる。この間に、蛹室周辺にザイセンチュウがカミキリの気管内に侵入する。

・北米に自生するマツ属樹種とマツノザイセンチュウとの関係は、日本におけるアカマツ・クロマツとニセマツノザイセンチュウの関係に似ており、この線虫に対して抵抗性がある。

・カミキリが摂食に専念している最初の十日間には、線虫はカミキリの体から離脱しない。

・羽化直後のカミキリの体内にいる線虫は大部分が頭を虫体内部に向けているが、羽化後の日齢が経つほど、体をUターンさせて、頭を気門の方に向けた線虫が増えてくる。

・マツノザイセンチュウは、侵入後しばらくの間は、主に形成層の外側、柔細胞からなる皮層部分に分布している。また、移動は主として細胞の間隙にできた樹脂道を利用している。

(15)「マツ枯れ」について その7

・マツノザイセンチュウもニセマツノザイセンチュウも、植物のカルス細胞でよく増殖する。

・マツノザイセンチュウは、マツ類以外にモミ類やトウヒ類、カラマツ類、ヒマラヤスギにも感染する。ヒマラヤスギは、マツ科の植物である。

・罹病木の最初の病徴として、樹脂分泌が減退ないし停止することが知られている。

・マツノザイセンチュウが寄生マツの樹体内に侵入するのは若い枝からであり、侵入後の主な移動経路は樹皮部に分布する樹脂道である。

・細胞同士の隙間にできたトンネル状の構造で、その周囲をエピセリウム細胞という分泌細胞が取り囲んでいる。この細胞壁は薄く、マツノザイセンチュウが移動した部位ではこの細胞が破壊され、他の柔細胞にも変性や壊死が起こる。

・やがて初期の樹脂浸出異常やエチレン生成はおさまり、外見的には病徴の進展が停止しているように見える時期が続くが、この時期に過敏感反応が静かに進行し、植物の色素や苦味成分、あるいは防御物質として知られているポリフェノールなどの異常代謝産物が生成され柔細胞中に蓄積し、やがて細胞は壊死し、その内容物が細胞外に放出される。

・細胞内容物が漏出し、水分通導の場である仮導管を次第に閉塞したり、その仮導管に気泡が詰まる「キャビテーション」を起こしたりするようになる。やがて完全に水が樹冠に供給されなくなり、マツ類は萎凋・枯死する。

・ポリフェノール性物質のタンニン含有量は、線虫類の増加に対抗するように、前もって増加している。その量が減少すると初めて線虫数の急増が見られる。

・線虫に感染したアカマツやクロマツの組織で活性酸素が発生する。細菌などの異物が侵入したとき、その強力な酸化作用で異物を殺菌する直接的な働きと、それに続く抵抗反応を導くためのシグナルとしての働きの両面がある。

・ 生物は長い進化の歴史の中で、細胞内の活性酸素濃度を低く抑えるように様々な仕組みを獲得してきた。活性酸素を消去する一連の「スカベンジャー(掃除屋)」と呼ばれる分子群がそれである。ポリフェノールの一種であるタンニンにも、この機能がある。

(16)樹木の防衛機能

・樹木の活力の源は、光合成による糖の生産である。光合成は、光エネルギーを使って水分子を水素分子と酸素分子に分解する明反応と、その結果得られた水素分子と大気から吸収した二酸化炭素を使ってブドウ糖を合成する暗反応に大別できる。

・樹木の病虫害に対する抵抗能力の多くは、組織細胞の糖を基にした抗菌物質の生成に依存するので、光合成の活発な樹木、即ち葉量の多い(エネルギー生産能力の高い)個体ほど一般的に抵抗性が大きい。

・樹木は成長過程で無数の枝・小枝を脱落させる。若木のときに存在した枝は壮齢木のときには、ほとんど残っていない。枝の脱落に大きな役割を果たすのが風や雪のような物理的力と木材腐朽菌である。木材腐朽菌は死んだ枝の強度を低下させ、自然落下を促す。

・樹木は枝の脱落に対して、その傷から病原菌を樹幹や大枝に侵入させない防御システムを発達させている。幹のカラーがフラッシュカットによって傷つくと、幹の木部の切口の上部と下部は、急速にまた広範囲に感染し、腐朽が広がる。剪定が正しく行われて幹のカラーを傷つけたり取り 除いたりすることがなければ、幹の木部にはほとんど感染しない。

・枝が衰退したり枯れたりしたとき、枝の組織を取り巻いている幹の生きた柔細胞組織から多量の抗菌性物質が生産され、病原菌に対抗する。生産されたこれらの抗菌物質は枝の基部に盃状にへこんだ形で集積し、そこに極めて固く黒褐色ですべて死細胞からなる防御層を形成する。

・この防御層は水分を通さないので、防御層が完成すると幹から枝への水分や窒素・ミネラルの供給も停止する。ゆえに枝の枯死は樹木の病虫害や傷に対する反応の過程で促進されることになる。このような反応は樹体の生きた部分ではどこでも起こると考えてよい。

(17)樹木の「幹焼け」について

・周辺樹木の消失や樹冠衰退、あるいは移植などによる幹へ強い日光直射に起因する、樹皮の溝腐れ状の損傷である。「皮焼け」又は「日焼け」ともいう。

・サルスベリ、ケヤキなど樹皮のコルク層の薄い樹種に多く見られる。また、クスノキなどではコルク層の発達する前の若木に発生しやすい。

・移植木などで、根系や枝条の著しい切断により葉からの蒸散量と根の吸水量が減って、木部における水分上昇速度が極端に遅くなると、木部通導組織、とくに最も外側の年輪を通る水による形成層や師部に対する冷却効果が働かなくなる。

・さらに、葉量の減少によって光合成量が減り師部・形成層・材部柔細胞、及び根に十分な糖が供給されず、代謝エネルギーが不足することが大きく影響する。

・とくに、切除された大枝の直下の幹部分では大枝からの糖の供給にほぼ100%近く依存しているので、それがなくなるとエネルギーが著しく不足する。

・また、剪定等の傷口から胴枯れ病菌が侵入して上下に形成層、師部及び辺材の柔細胞を侵し、そこに木材腐朽菌が感染して溝腐れ症状を起こすことも深く関係しているので、幹焼けと同じような症状は、幹の南面や西面ばかりでなく東面や北面にも見られる。

・生理活性機能が正常な状態で日射が強く当たるようになった場合、樹皮の薄い樹木はコルク形成層の働きを旺盛にしてコルク層を厚くし、ざらついた木肌となるが、胴枯れ症状には至らないことが多い。

(18)土壌の三相分布について

・土壌は、固体、液体、気体の三部  分によって構成され、それぞれを固相、液相、気相という。これら三相を容積百分率で表示したものを三相分布あるいは三相組成と呼んでいる。

・固相は、砂、シルト、粘土などさまざまな形態、粒径、化学組成の無機鉱物と有機物から成り立っている。

・液相は孔隙と呼ばれる固相間のすき間の一部を満たす土壌水であり、固相との結びつきの強さによって重力水、毛管水、膨張水、吸湿水の順に区別される。重力水は固相との結びつきが最も弱く、0.1㎜以上の大きさを持つ固相間のすき間に存在する液相で、排水性を判断する場合に重要な指標となる。

・気相は孔隙のうち、土壌水で満たされていない空間部分をいう。湿害は気相率不足に原因しており、気相率は少なくとも20%以上は必要とされている。

・ 液相や気相の比率は、土壌の水分状態などで変化するが、気相率は地質や母体でほぼ一定の値となる。火山灰土は16~30%と低く、非火山灰土では40~45%が一般的な値である。

・三相分布は、土壌粒子と水の充填状態を総合的に表示している。すなわち、固相率は土壌の硬さと関係し、気相率は通気性や排水性と関係しており、生育、特に根の伸長と密接に関連している。

・一般的には三相分布の理想的な比率は、固相:液相:気相が5:2:3、あるいは5:3:2といわれている。

・一般的には固相率が高くなったために三相分布が問題となることが多い。その対策は、深耕、心土破砕などによりち密層を膨軟化させることが必要である。

(19)栄養塩について

・人手の入らない森林や草原では、人が肥料をやらなくても植物が生き生きと育っている。

・植物は、生育に必要な栄養塩を主に根から吸収する。栄養塩のうち、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどは岩石の風化とともに溶け出し、植物に利用される。

・一方、窒素は降雨からわずかに土壌にやってくるが、ほとんどは土壌中の微生物が大気から固定したものである。

・生物のほとんどいない一次遷移の初期には、土壌に窒素がほとんどなく、藍藻や蘚苔類が固定することで徐々に増えていくのである。

・やがて植物が進出しそこで枯れると体に含まれていた窒素が、土壌に溶け出したり微生物に分解されたりして他の生物に利用される。

・落葉や落枝の形で土壌に移動した有機物中の栄養塩は、土壌動物と微生物のはたらきでイオンの形となり、植物に利用されるようになる。

・充分に土壌が発達すると植物の生育に必要な栄養塩類が、植物と土壌とのあいだで「めぐる」ようになるのである。

・実は植物は、葉を落とす前に、含まれている栄養塩を回収して(これを転流という)再利用するのだが、これで回収できるのはせいぜい元に含まれていた量の50%ほどである。

・残りは土壌で腐生性の生物が構成する腐食連鎖に利用されることになる。

(20)土壌動物と微生物

・有機物を分解する酵素を持つのは主に微生物であり、シロアリやミミズのような土壌動物は消化酵素の多くを微生物に頼っているのである。

・シロアリは後腸が大きく発達しており、内部に原生生物や細菌を共生させ、分解されにくい有機物を利用している。

・一方ミミズは、土壌とともに微生物を消化管に取り込む。消化管のなかには微生物の餌になる水分や有機物が充分あり、土壌よりも栄養条件が良いために、微生物は盛んに活動する。

・ミミズは微生物が酵素によって分解した有機物を腸から吸収することで、微生物に与えた餌より多くの見返りを受けたうえ、不必要なものは糞として排泄する。

・土壌動物は、微生物に比べると体が大きく力持ちなので、ミミズは有機物を粉砕して表面積を増やし、微生物にとって利用可能にする役割をする。

・また、消化管内に外の土壌と異なる環境を持ったり、糞や坑道によって土壌環境そのものを変えたりして、微生物による分解に影響を与える。この影響は個体の寿命を超えて、数年以上にわたる。

・また、微生物を直接食べる小さな動物が加わることで、枯死有機物と微生物だけでできている場合と比べると微生物間の競争関係が変化する。

・微生物は土壌中の栄養塩も吸収し利用するが、捕食によって微生物が減らされた結果、動物から排泄される栄養塩が微生物に独占されずに植物にも利用可能になる。

・このように土壌で栄養塩のしくみを知るには、多くの種が関係するゆるやかな共生関係を調べていく必要がある。

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