【問12(生態系保護論)

 外来種が在来種や環境に及ぼす影響について、例をあげ説明しなさい。

 

 

 

《解答例》

 生態系は、いくつもの生物間相互作用からなりたっている。安定した自然の系では、長い年月をかけて、生物どうし、および生物とその環境が、それぞれがたがいに影響を及ぼしあいながら微妙なバランスの状態を形成し、その系において平衡に達した安定な関係となっている。

 ところが外来種は、新たな生物間相互作用を、先住の在来種との間に突如として作り出す。それはときとして、生態系バランスを大きくくずし、在来生物絶滅に導くような不安定性にもたらす。例えば、大型の草食動物のいなかった地域にそのような動物を導入すると、食べつくしによる植物の絶滅の危険が非常に高くなる。また、肉食動物の導入は小型の動物を絶滅に追い込む。肉食性のオオクチバス(ブラックバス)の水系への導入による在来魚種の衰退などはその例である。