春が来る!
 ワクワクするような季節「サンガツ」。
 まだ寒い日もありますが、ポカポカ陽気に心弾むのは私だけでしょうか?
冬には冬の良さがあるのですが、今年は「とても寒い冬」だったので「春」が恋しかったのかもしれません。(・・・私にとっては。)
 
 三月は「弥生」とも呼ばれます。『木草弥や生ひ月』(きくさいやおいづき)
「弥生」は=いやおい=が変化したものと言われています。
「弥」=いや=は、「いよいよ」とか「ますます」という意味。
「生」=おい=は、「生い茂る」という意味。
「草木がだんだん芽吹いてくる月」という意味で「やよひ」に詰まったことが由縁のようです。

 日本では年度替わりの時期で、官公庁・学校関係・会社、移動や引越し、新生活など慌しい季節です。
 また、2月から飾られた「女の子の節句」の雛人形も3月の雛祭りが終ったら、「直ちに片付けないと結婚が遅れる」と言われています。
でもこれは迷信ですね。
 旧暦の場合、梅雨が間近であるため、早く片付けないと「人形にカビが生える」という理由からだったそうです。
綺麗なお人形はいつまでも眺めていたいものです。慌てないでくださいね。
 芽吹きと同時にガーデナーも忙しくなります。
 秋に植えつけた、パンジーやビオラ、キンギョソウ、デージー、葉牡丹、アリッサム、球根類等など、全てが大きく育ち始める頃です。
 いくつか、管理の方法をあげてみましょう。

  
 これはコンテナに、昨年12月に植えつけたパンジーです。
30cm×15cmのコンテナに4ポットの苗を植えました。

  パンジー(Viola × wittrokiana)
   一年草。スミレ科。
開花期は10月〜5月頃まで。
 秋に植えた草花や球根類は冬の間少しずつ成長しながら、3月に入ると次から次へと蕾が膨らんできます。
 これからの季節は、気温も上がり始めますので水を切らさないよう注意が必要です。また、活動期に入るので施肥も行いましょう。(化成肥料でOKです)
 そして、一番の作業は花柄摘み。
 花柄摘みとは、咲き終わった花を取り除く作業です。
苗を太らせながら「花を咲かせ種を付け、こぼす」この過程が苗の一生です。
私達はその一生を短時間ではなく、出来るだけ長く、出来るだけ苗を太らせ、花を多く付けさせるために「終わった、もしくは終わりかけの花」を取除きます。花を取られた苗は子孫繁栄が出来なかったために、次の花を咲かせる準備に入り、栄養吸収し、株を太らせて花を咲かせるのです。
 パンジーやビオラ、デージーなど茎の柔らかい花は指先で摘む事が可能です。
キンギョソウ
キンギョソウ
プリムラ
プリムラ

 こちらは、キンギョソウ、プリムラ、ストックです。
先ほどのパンジー類に比べると、背も高く茎もしかっりしたタイプの草花です。
 
 ストック 
ストック
 キンギョソウ (Antirrhinum majus)
  一年草。ゴマノハグサ科。
  矮性種は宿根する事もある。
  開花期は3月〜6月頃、9月〜10月頃。
 プリムラ・マラコイデス (Primula malacoides)
   一年草。サクラソウ科。開花期は11月〜5月。
ストック(Matthiola incana)
一年草。アブラナ科。開花期は11月〜4月。
 こちらの花柄摘みは一房の花が咲き終わったら、房の茎を下の脇芽の部分から切り取ります。(ストック、キンギョソウの場合)
 プリムラ・マラコイデスは株自体から花芽があがるので、咲き終わった房茎の一番根元から切り取ります。
 ハボタン 
葉牡丹も花壇などには植えられていますが、寒風で葉が傷みやすく、気温が上がって来ると葉色がくすんできます。花柄摘みはありませんが、痛んだ葉を少し取除いてあげるといいかもしれません。施肥はしません。
他の草花と一緒に植え付けしてある場合は葉牡丹の周囲は避けてください。
   ハボタン(Brassica oleracea var.acephala)
    一年草。アブラナ科。観賞期は11月〜2月。開花期は5月ごろ。
 スイートアリッサム 
こちらはスイートアリッサムです。
花壇の縁取りやコンテナの手前から垂下がるように咲きます。花柄摘みは小花ですので、全体が咲き終ったらハサミで刈込んであげます。 
終った花の下くらいです。再度花を付けます。
   スイートアリッサム(Lobularia maritime)
    一年草。アブラナ科。這性。開花期は11月〜5月
 花柄摘みは、気温が上がって来ると草花の生長が早くなりますので、大変な作業になってきます。水をタップリかけた後にでも、目に付いた時にでもこまめに行いましょう。
 取除いた花柄は処分しましょうね。
 よく株の側に置いておかれる方を見かけますが、害虫の発生に結びつく場合もありますので処分してください。
 また、アブラナ科の植物はアブラムシが発生しやすいです。
アブラナ科は、花が4枚の草花です。この時期はストックや葉牡丹、アブラナ、アリッサム、イベリスなど。花柄摘みの時にでもよく観察してください。
 もしも、アブラムシなどが付いている場合は、まずは花柄と一緒に取除きましょう。手袋をして、直接潰して取除く方法もあります。(勇気があれば!)
 量が多い場合やどうしても触れない場合は、粒状の殺虫剤が市販されています。アブラナ科の草花の株廻りに粒状の薬をばら撒いて置くと、水やりで粒が溶け、根から吸収され効果がでます。
 注意)薬剤は最小限で最大の効果を持って使いたい薬です。使用方法等は十分に理解した上で使用しましょう。

 今回挙げた草花は一般的に植付けされている物ですが、姿形から花柄摘みの方法は他の草花にも当てはまると思います。
 全体を楽しみながら、個々の草花もじっくり観察して見ましょう。面白い発見があるかもしれませんよ。

 合わせて「雑草」と称する草も沢山生えてきます。
 余談ですが、故昭和天皇は「雑草という名前の草は無い」という言葉を残されています。「どんな草にも名前はあり、人間の都合で邪険に扱うような呼び名はするべきではない」という事なのですが・・・・・。
 私たちは目的を持って植物の生育を目指しています。
雑草は、意図に反して侵入し、生長・繁殖をし、繁殖力はとても強いです。
 楽しみたい草花の生育を邪魔をするわけですから取除きをしましょう。
 そろそろ花壇やコンテナの中に侵入してくる「雑草」を挙げてみました。
ハコベ
ハコベ
スズメノカタビラ
スズメノカタビラ
アメリカフロウ
アメリカフロウ
カタビラ
カタビラ
オオタビラコ
オオタビラコ
オオイヌノフグリ
オオイヌノフグリ
(春の雑草事典より)
 春の「雑草」の一部です。種をこぼし、拡がっていきます。
まずは「草花が優先」ですので、こんな感じの植物を見かけたら抜いてくださいね。でも、「雑草」と称する植物って面白いんですよ。機会があればお話しましょうね。

 本番『春』は今月の下旬位からでしょうか。少し重たくなった体を動かして準備に入りましょう。
 花粉も年々ひどくなるようです。花粉症の方はスギ・ヒノキ以外にも草花の花粉にも反応するかも。心当たりのある方は完全防備で!
 春が来ます。草花、楽しみましょう!

御園 和穂

(09/03/03掲載)

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