オランダ3
 「立冬」を迎えると、暦の上では「冬」。季節風の第一号も吹き、暖房がほしくなる頃です。野山の紅葉は見頃を迎え、時折おだやかな晴天の時もあり、こんな日を「小春日和」と呼びます。
 冬が近づき、秋と春が混在するような不思議な季節です。でも、雨も少なく、春ほど風も強くなく、暖かい日は過ごしやすい時期でもあります。
 花壇は「冬花壇」へ植替えの時期になります。
 草花も今が一番見頃。花色も美しく、植替えにはもったいない感じもしますが、本格的な寒さがくる前には済ませておきましょう。

 今回は「クレラー・ミュラー美術館」からスタートです。


クレラー・ミュラー美術館入口
 オランダ、アーネムの近郊にあるデ・ホーフ・フェルウェ国立公園内にある、自然と芸術が融合した彫刻庭園で、さらに世界で一番多くゴッホの作品を貯蔵している美術館として有名です
 1930年代に屋外での展示は、画期的な展示方法であり、日本の箱根にある彫刻の森美術館も参考にしたと言われています。


ジキタリスの花
 広大な敷地の中の自然をそのまま活かし、あえて花を植付けるのではなく、自生しているジキタリスが彩りを添えています。
(水辺奥、森林の手前一面に生えています)



森の中に彫刻が点在している(ロダン等)
 普段、花壇やコンテナ等、購入した花苗を植付けていると、自生種などをじっくりと見たりする事が少なくなるので森を散策するのはとても新鮮です。
 今回は時間の都合があったり、雨だったりで、十分に鑑賞しながら自然に親しむ事が出来ませんでした。次回があるのであればレンタルサイクルで、ゆっくり楽しみたい場所の一つです。
 美術館内は、ゴッホの所蔵数bPだけあって、「夜のカフェテリア」「アルルの跳ね橋」「糸杉と星の見える道」「嘆き悲しむ年寄り」「四輪の枯れたヒマワリ」「オリーブ園」等、見たかった絵画がずらり!(本物ですよ!) これは興奮してしまいました。
 
 興奮もさめない内に次への移動です。
 次はオランダで有名なピート・オウドルフ氏とともに、もう一人の有名なガーデナーでジャックリーヌ・ファンデル・クルートさんの事務所兼プライベートガーデンです。
 彼女のチューリップの植付けは評判で、昨年、東北の被災地にもチューリップの庭つくりで来てくださいました。


アーネムの駅からウィスプまで列車で移動、到着した駅のホーム
 駅のホームはラベンダーとグラス類でお客様のお迎えです。駅舎内は植物の壁紙に昆虫類の絵が描かれ、通行時も楽しめる工夫がされています。
 駅から外へ出ると・・・


跳ね橋と往来する船
 周囲は川で、やはりオランダ、水上での往来が一般的のようです。田舎町なのでしょうが、とても美しい町並みです。
 駅より徒歩20分ほどでジャックリーンさんのプライベートガーデンへ到着。
 ガーデンの元は、日本でいう自衛隊の跡地を買い上げ、周囲、5m程度の生垣を2m程度まで切詰め、少しずつ植物を植えながら今の姿にしたそうです。(20年以上経過とのこと)


 仕事場兼オープンガーデン用です。
ギボウシを始め、ナチュラルで、あまり手のかからない庭を作られています。





 日本の4月上旬の気候なので、これから開花をする植物がほとんどでしたが、ゆっくりできる素敵なガーデンです。
 伺った日は、お昼からパーティーが開催されるとの事で、準備もあるようでしたので、ガーデンを堪能し、少しだけジャクリーンさんと歓談しアムステルダムへ戻りました。


アムステルダムでは、毎年6月に開催される、「アムステルダム・オープンガーデン・デイズ」を見て回ります。
 6月の15、16、17日の3日間開催され、市内30箇所のホテル、プライベートガーデン、オフィス等が庭を開放、オープンガーデンを行います。
グリーンの看板が目印です。

←まずは冊子を入手、中にガーデンの配地図と説明があり、左ページに各ガーデン入口でサインをしてもらい、30箇所を回ります。






 素敵なガーデンばかり。
 もしかしたら・・・テーマが決まっていたのかもしれません。「アリウムとギボウシ」が必ずどこのガーデンにも咲いていました。
 花だけではなく、樹木やオブジェでも楽しませて頂きました。
 また、お茶やケーキ、クッキー、場所によってはワインや軽く食事が出来るスペースも設けられていました。もちろん、有料ですけどね!



 オープンガーデンでアムステルダムの街中をウロウロしている時に見つけました。
 さすがに、「チューリップの国」。
「チューリップ博物館」です。
 中に入ると、単なるギフトショップ?かと思ったら・・・ 奥へ行くよう促されました。

 奇妙な「扉」の向こうへ・・・


 扉の向こうは、世界中のありとあらゆるチューリップ説明や写真等、面白い趣向になっていました。  また、各国にある「チューリップ」を楽しめる場所の地図もありました。  長崎のハウステンボスや富山も載っていました。

 ←これ、なんだと思いますか?
 下に立って、前にぶら下がっている紐を引くと、円形の筒のような物が下がってきて頭にスッポリ。
 最初は???でしたが、この「筒」の中は、花の香りがするんですよ。
 面白いでしょ。
 
 オープンガーデン30箇所、チューリップ博物館と、アムステルダムの街中を歩き回りました。
 決して大きな町ではないので、親しみのある、少し慣れた街になったような気がします。
 休暇も沢山はありません、そろそろ、終わりが見えてきました。今回も足が棒になるまでガーデンを見て回りました。
 本来ならそこで帰国になるのですが、今回は帰りの飛行機を夜便にしたので、いつもより少し時間ができました。折角なので街中を少しだけご紹介しましょう。

アムステルダム セントラル駅
 

街中は路面電車で移動が便利
(1日や3日間乗り放題のカードが便利)


 水上バスからの風景です。水路が縦横に走るのですが、街中の移動のメインは路面電車。枝道での車はわずかで、殆どが自転車です。
 住宅は引っ付いた状態で建てられ、住宅と住宅の間には隙間が無いと言ってもウソではありません。
 そのため、各住宅の屋根の部分には「滑車」が取付けられています。最初は???でしたが、理由は簡単。
 家具を入れたり、引越しの際、階段が使えないので滑車を使って、外から搬入・搬出をするのです。
 ヨーロッパ人の知恵の一つなのでしょうね。  また、水上生活を送っている方も多いようです。(右上写真)
 コンテナガーデンを楽しまれているようです。船からの景観はバッチリでした。
店舗前に設置されているボックスと街中の公園
花市場です。切花、鉢物、球根、種と様々な種類の植物を取り扱っています。






 盆栽は「流行り」なのでしょうか?
 実際の盆栽もありましたが、種から育てる盆栽のようなものが売られていました。
 1袋で5ユーロ(500円程度)、3袋で12.5ユーロ(1250円程度)とお安くなります。(1ユーロ=100円で計算しています)

    「カナビス」の缶詰(ドラッグのようなものです)    





 イチゴの缶詰や球根類、宿根ベゴニアの球根が欲しかったのですが・・・やはり持帰れないので断念。
 見ているだけでも楽しかったので、「良し」としました。




           アムステルダム国立美術館      

 その他では、ゴッホの生誕の地でもあるので「ゴッホ美術館」や「国立美術館」。
 ゴッホ美術館はゴッホを始め、ゴーギャン、ロートレック、日本の浮世絵を真似たミレーの作品などが展示されています。
 オランダ国立美術館はフェルメールやレンブラント、アーフェルカンプなどが展示されています。
 日本での凱旋とは違うので、ゆっくり「独り占め」状態で鑑賞させて頂きました。 皆さんも是非一度訪れてみては如何でしょう?


 さて、オランダのガーデン巡りはこれでおしまいです。
 全てをご紹介出来ませんでしたが、また機会がありましたら、その都度お話したいと思います。
 11月は植替えのシーズンになりますね。
 私も少しノンビリとしてしまったので、最近準備に取り掛かったところです。
 来年の春を思い浮かべながら、球根類も使いたいし、ナーセリーを見て回っています。
 朝晩寒くなってきて、夕方はあっという間に暗くなってしまいますが、私にとっては「大好きな季節」がやってきました。
 今年もあと残すところ2ヶ月。
 慌しい時期ですが元気に過ごしましょう!


御園 和穂  

(12/11/01掲載)  

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