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花のコーナー 2017年06月

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花のコーナー

御園 和穂##

2017年6月 ナスタチウムとハーブ類

 過ごしやすい時候はあとどのくらい続いてくれるのでしょうか?そろそろ暑い夏に突入ですね。
 植替えをした草花は元気に生育していますか?
 これから、気温が上昇し陽射しも強くなり、水やりの頻度も多くなってきているはずです。植え替えをして一か月くらい経過している場合、これから草花は一斉に花を咲かせるために、水を欲しがる時期です。しっかり与えましょうね!
 今月下旬くらいから梅雨に入ります。雨の降り具合にもよりますが、この時期だけは、水やりが少し楽になるかもしれませんね。
 例年、梅雨明けと同時に気温が急上昇。管理はとても大変になりますが、花を楽しみながら、次の作業「夏の切り戻し」の準備も計画しておきましょう。

 今回は、初夏から楽しめるハーブを紹介します。


キンレンカ(ナスタチウム)

画像の説明

学名:Tropaeolum majus 
ノウゼンハレン科
つる性春蒔きの一年草。
英名:Nasutatium(ナスタチュウム)、Indian cress 
和名:キンレンカ 
漢字名:金蓮花
原産地:メキシコ~南米
開花時期:6月~11月(夏場は休む)
草丈は30cm程度(矮性タイプ)~3m程度(つる性タイプ)

 一般的に「ナスタチウム」の名前で親しまれていますが、正式には「ナスタチウム」は「オランダカラシ(クレソン)」を指します。
=学名:Nasutatium officinale 似た味をもっている事から転用されたと言われています。
 世界で約50種の仲間が知られており、ペルーで発見された野生種がイギリスに渡り、日本へは江戸時代末期に観賞用として渡来しました。
 本来はつる性植物です。日本では、つる性タイプより矮性タイプが一般的に流通しています。花色は黄色、赤、オレンジ、ローズとハーブの中ではひと際鮮やかな花を咲かせます。また花は一重咲きと八重咲きがあります。

画像の説明

 葉はハスの葉を小さくしたような形で鋸歯がなく丸い葉です。
 写真で比べてみました。
 左側がナスタチウム、右側がハスです。もちろん、大きさは異なります。

 学名のTropaeolum(トロパエオルム)は、ギリシャ語でトロフィーを意味し、トロイの戦士が流した血から生まれた草と言われています。また、花の黄色は「金のヘルメット」、丸い葉は「盾」の象徴だと言われています。
 和名の「キンレンカ」は、漢字名の「金蓮花」をそのまま当てています。

 春蒔きの一年草です。秋に種を蒔いた場合は冬を越しますが、寒風や霜に当たらないよう管理します。5℃を下回ると枯れる恐れがあります。
 日当たりの良い場所を好み高温多湿が苦手です。この周辺では梅雨が明ける頃に枯れてしまう事があります。
 花壇であれば前面の縁取り、コンテナ植え、特にハンギングバスケットには最適です。
 花壇植えの場合は、梅雨に入る前に全体を切り戻し、風通しを良くしておきます。コンテナやハンギングバスケットは移動が可能なので、梅雨時期に切り戻し、風通しの良い明るい半日陰で真夏を越させます。夏越しが出来れば秋から再度開花します。

 肥料は植え付けの際に化成肥料を与え、追肥として開花時に時折液体肥料を与える程度です。あまり肥料を与え過ぎると花付きが悪くなり葉ばかりになってしまいますので、特に窒素分の多い肥料は避けてください。
 また、水やりも与え過ぎは要注意です。土の表面が乾いたらタップリ与えます。乾燥気味にする方が間延びせず育ちます。

画像の説明

 繁殖の方法は種を蒔いて育てられます。
 種は粒も大きく発芽力が旺盛なので手間はかかりません。花後、放置しておくと種が付きます。
 種はとても硬く、果皮はコルク状です。そのままでは発芽しにくいので、一晩水に浸けて表面の薄皮(コルク質の部分)を取り除いてから植付けます。
 市販の種は発芽しやすいように下処理を施してあります(コルク質を削っている)。そのまま蒔いてくださいね。

【種蒔きの時期】
 春蒔きの場合3月下旬から4月。2か月くらいで苗になります。7月頃から苗として植付け、少しの間開花しますが、真夏は花が止まります。切り戻して、秋からの開花を楽しみましょう。
 秋の場合は9月中旬くらいに種を蒔き、冬越しをさせます。
 花苗から育てる場合、5月以降に苗が店頭に並びますので購入されて植え付けてください。
 本葉が4~6枚くらいに伸びてきたら頂点の芽を摘みます。そうすると脇芽が伸び枝の数が増えて花も多く開花し、茎も間延びせずバランスよくなります。花が咲き始め、終わった花は摘み取り(花柄摘み)をしてください。

【ハーブとしての特徴】
 ナスタチウムは全てが食べられます。
 新鮮な花と柔らかい葉は、サラダや料理のアクセントに添えます。葉はワサビに似た辛みがあります。
 未熟な種や蕾は一晩塩浸けし、その後酢浸けにするとケイパーの代用になります。硬い種はすり下ろすとワサビのようになります。
 花はほのかな甘みがあり、付け根部分は辛いです。
 ネットのお料理サイトには、花や葉は軽く刻み、クリームチーズと和えたリ、花は細かく刻んでヨーグルトと一緒に食べるようなレシピが満載でした。

※花苗購入で育てる場合、基本は観賞用で栽培されています。観賞用と食用では農薬の散布量が異なります。花付きの場合、最初の花は食べないでください。一度開花させ、「花柄摘み」もしくは「切戻し」後、新しい葉、花が開花したあたりから食用にしてください。
※市販の種は、表面処理を施してあるので、決して食べないでください!

【植物としての活用】
 ・花壇やコンテナ・ハンギングへの植付け。
 ・コンパニオンプランツ(寄せ付けない)
   野菜類(ピーマンやトマト、ナス等と相性がよい)の側に植えておくことでアブラムシや
   カメムシ、コナジラミ等を寄せ付けなくする効果があります。
 ・トラップ植物(引き寄せ)
   植物が好きなナメクジやアリ、カタツムリ等を引き寄せる効果があります(引き寄せた後は
   手で取り除きます)。

 草花として、ハーブとして、花色も鮮やかで、食べる事も出来て、他の植物の害虫駆除及び引き寄せも出来る「万能植物」ですね。
 薬剤を使うほどの効果はありませんが、昔ながらの優しい効果が期待できそうです。花壇の仲間に加えてみては如何でしょうか。

 次は、最近、加工食品としてよく見かけます。また食べています。


バジル(バジリコ)

画像の説明

学名:Ocimum basilicum L.
シソ科メボウキ属の多年草(日本では一年草扱い)
和名:メボウキ  
英名:Basil
原産地:インド、熱帯アジア。
生育期間:播種後、6月中旬~10月中旬。
開花期:7月~9月。

 イタリア語のバジリコ(Basilico)の名で知られています。バジルと呼ばれるハーブは、一般的にスウィートバジル、ブッシュバジル、シナモンバジル、ライムバジル、ホーリーバジル等約150種類の栽培品種があると言われています。
 バジルは、アレキサンダー大王によって、インドからヨーロッパに伝えられ、イギリスには16世紀、アメリカには17世紀に、日本へは江戸時代に伝来しました。
 現在では食用としてのバジルですが、昔のインドではホーリーバジル(Holy basil)が神に捧げる神聖なハーブとされていました。また、エジプトなどでは墓に植える草とされていたそうです。
 バジルの名称は「王」を意味するギリシャ語に由来する説や、伝説上の怪物バジリスクに由来するとも言われているそうです。また、死者の横にバジルを供えると黄泉の国へ無事にたどり着く事が出来ると考えられていたようです。
 ヨーロッパでは、薬草として、また料理用のスパイスとして、後は観賞用としても重宝され、日本において、伝来当初は種子が漢方薬として使われていたようです。
 バジルの種は※グルコマンナンを多く含み、水分を含むとゼリー状の物質で覆われ1粒が30倍ほどの大きさに膨張します。現在ではダイエット補助食品として利用されているようですが、伝来当初は「目の汚れ」を取る目薬として利用され、和名のメボウキ(目箒)の由来はここからきているようです。
 ※グルコマンナン:こんにゃくの主成分である食物繊維の一種。水を吸って膨れる性質がある。糖やコレステロールの吸収を抑える働きがあるため、主にダイエット補助食品として利用されている。

 現在では、加工食品としてのソースがパスタ料理や肉料理などに使われています。生食として、新鮮な葉であればトマトとの相性が良いことからモッツァレラチーズと合わせたサラダ等が有名です。またピッツァのトッピングなどにも使われています。
 東南アジアでもパスタに使われますが、炒め物や鉄板焼き、天ぷらのような揚げ物としても食べられています。
 世界中で親しまれていますが、食べ方は様々のようです。

【種蒔きの時期】
 種まきの場合は、発芽に20℃以上の気温が必要なタイプです。4月から5月中旬くらいが適期です。発芽には「光を必要する」ので覆土はしません。
 苗から育てるなら、夏野菜の苗が店頭に並ぶ頃、同時に購入ができます。
 植付け後、乾燥に弱いのでしっかり水を与えてください。特に、プランター類は花壇(路地)に比べると乾きやすいので気を付けてください。
 グングン伸びてきます。草丈20cmくらいになったら、先端を摘み脇芽を出させます(摘芯です)。その後もグングン伸びます。同じ作業を2~3回繰り返しましょう。枝数が増えて葉も茂ります。葉が沢山収穫できます!
■肥料は、グングン伸びている間は定期的に与えます。肥料を切らさないようにします。肥料が切れてくると下の葉が落ちてきます。

【ハーブとしての特徴】
 バジルは葉を料理に利用します。トマトとの相性が抜群です。葉のまま飾りで、刻んでソースの中へ、など見た目の緑や香りを楽しんでください。
 バジルは大きくなってくると葉の収穫量が多くなります。葉が沢山収穫できたら保存しましょう(保存方法は別途記載)。
 一年草なので10月頃まで収穫できます。

画像の説明

【植物としての活用】
 ・花壇(草花のわき役で使う)やコンテナへ植付け。
 ・コンパニオンプランツ(寄せ付けない)
   トマト苗の横に植えておくとアブラムシが寄り付き
   にくくなる効果があります。
 
 9月に入ると、伸びた茎先に小さな白い花を付けます。放置すると種の採取もできますよ!
 食用でも楽しめますが、花壇の脇役でも十分に楽しめます。苗が手に入れば、これから挑戦してみませんか。


 今回は、花が鮮やかなハーブ(キンレンカ)と緑の葉がとても美しく香りの良いハーブ(バジル)の2種類を紹介しました。
 その他、花壇でもコンテナでも植えておいて姿形を楽しめるハーブや香りの良いハーブを少し紹介しておきます(私が好きなハーブです)。

ベルガモット 

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学名:Monarda didyma

 草丈60~120cmほど。花壇では中段から後方で華やかな雰囲気を演出します。花色は赤、ピンク、白などがあります。葉はレモンのような香りがします。花びらはサラダに散らしたり、クッキーやパンに入れて楽しめます。切り花でも楽しめます。

レモンバーム 

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学名:Melissa officinalis

 草丈50~80cmほど。花壇では中段の脇役。花は小さな白い花を付けます。葉はレモンに似ていて、レモンに比べるとより繊細な香りがします。生の葉を使ったフレッシュハーブティーがお勧めです。香りはレモンのようで甘味のある味になります。ハチミツを加えて飲むとさらに美味しいです。
■ノンカフェインで安心な飲み物ですが、妊婦さんは控えめに飲まれてください。利尿作用や排便作用があり、強い排便作用は子宮収縮を誘発したりして、早産や流産につながる事があるからです。

画像の説明

 その他にも、セージ類(サルビア類など)、ラベンダー、オレガノ類、タイム類、ローズマリー、パセリ、ミント類などたくさんあります。
(写真:オレガノ・ケントビューティー)



 これからしばらくは、暑くジメジメした季節が続きます。
 ハーブ類は、そんな季節でも比較的元気に育ちます。決して綺麗な花を咲かせるものばかりではありませんが、葉に触れる事で爽やかな香りを放ったり、辛味や苦味などの風味を楽しむ事も出来ます。
 もともと、ヨーロッパで薬用の薬草として、またスパイスとして使用されてきました。
 近年、私たちの生活の中でも随分浸透してきた植物だと思います。一般的にハーブ類を育てる事は問題ありませんが、食用とする場合は、そのハーブの効用や体に影響を及ぼさないかどうか、十分に調べてからお使い頂きたいと思います。

 ハーブ類、楽しみながらお気に入りを探してみてください。

 (17/06/01掲載) 

≪バジルの保存方法≫

■冷蔵庫なら
・収穫した葉の水分を軽く拭き取り、湿らせ絞ったキッチンペーパーに挟み、さらに新聞紙で包み野菜室で保存(1~2週間くらい)
・ビニール袋に葉を入れ、袋を膨らませた状態で保存(3~4日くらい)

■乾燥させる
・葉を乾燥させて容器(瓶)で保存します。
 皿にキッチンペーパーを敷き、その上に水分を拭き取ったバジルを並べます。電子レンジで様子を見ながら乾燥させます(強すぎると黒く焦げます)。
 その後、すり鉢などで細かくして瓶に入れて保存します。乾燥剤があれば一緒に入れておいてください(賞味期限は1年ほど)。

■塩漬け(バジルソルト:使用するのは塩の方です) 
・葉の水分を拭き取り、瓶にあら塩、バジル、あら塩の順で層に重ねていきます。最後は塩がくるようにします。常温でも冷蔵庫でも保存可能です。
 料理の際に、サラダに、肉料理、魚の下味などに良いかと思います(賞味期限は半年~1年ほど)。 

■バジルペースト
・洗ったバジルの水気を拭き取り、その他は松の実をフライパンで香ばしくなるまで乾煎り(軽く焦げ目がつく程度)します。
 ニンニクを粗みじんし、バジル、松の実、ニンニク、オリーブオイル、塩(適宜)、胡椒、パルメザンチーズをフードプロセッサーへ入れて攪拌(かくはん)したら出来上がりです。
 フードプロセッサーの刃でバジルの色が変色することもあります。またお持ちでない方は「すり鉢」で全て細かくなるまで擦り混ぜるとできます。
・ペーストなので冷凍保存するなら、フリーザーパックに平らに入れて保存。冷凍後は必要な分を手で割って使用します。電子レンジで解凍すると風味がおちるので自然解凍をお勧めです(賞味期限は2~3週間ほど)。
・瓶の場合は冷蔵庫で保存します(賞味期限は1~10日ほど)。

 たくさん収穫した場合は、様々な方法で試してみてください。これも楽しみの一つです!

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