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花のコーナー 2021年11月

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花のコーナー

御園 和穂##

2021年11月 オーナメンタルグラス

 10月、いつまでも気温が高く蒸し暑い日が続きました。中旬からは一転して気温が下がり、秋らしい気候になりました。

 今月は、暦の上では立冬(今年は7日)を境に冬に入り、秋の深まりを感じる時候になります。
 地域によって異なりますが、例年11月上旬は比較的晴天に恵まれ、中旬は紅葉の見ごろを。下旬になると落ち葉が舞い、その後厳しい冬を迎えます。じき雪の便りも聞こえてきそうですね~
 
 今回は、今が見頃の「グラス類」を紹介します。
 グラス類?って何だろう。どんな植物かというと~ススキ、カヤツリグサ、アシ(ヨシ)などのイネ科などの単子葉植物の総称のことです。
 日本の山野にも生えている植物で、雑草化しているものもありますが、園芸品種として改良され世界中で親しまれています。
 グラス類は私たちの身近にあります。例えば、イネや麦、アワ、古くは紙の原料のパピルス、アシ(ヨシ)はスダレ(簾)や緑肥や楽器のリードに、イグサは畳です。あまりに身近な有用植物ゆえに観賞用としての認知度は低いようです。
 近年、グラス類の園芸品種も増え、切り花やアレンジメントでも使用されるようになりました。このように観賞用のグラスをオーナメントグラスと呼びます。
 私も20年ほど前にグラスを取り入れた花壇をつくったのですが、グラスの植わっている素敵な花壇には程遠く…。その後、師と仰ぐ友人にご教授頂き「なるほど!」。「見て、触って、育てて」まだまだ勉強不足ですが、魅了されています。



まずは、皆さんも目にしたことのある~

パンパスグラス

2021

学名:Cortaderia selloana
イネ科シロガネヨシ属 多年草
原産地:南アメリカ、ニュージーランド、ニューギニア
別名:シロガネヨシ(白銀葦)
英名:Pampas grass
開花期:9月~10月 
花色(穂):白、ピンク
草丈:1~3m程度(大型タイプ)
耐暑性:強い 耐寒性:やや弱い

 パンパスグラスは、南アメリカやニュージーランド、ニューギニアに分布するススキに似た大型タイプの多年草です。
 オーナメンタルグラスの最大の特徴は、大型化する株と羽毛のような花穂です。
 パンパスグラスは明治中頃に現在の品種が渡来しました。
 雌雄異株で、雌株の花穂には長い毛があり、触るとふわふわしています(写真参照:雌花穂)。

2021

 花穂は切り花としても楽しめます。
 切り花の場合は穂が出る前の茎を切り取り、穂の部分の皮を剥ぎ、中から美しい白銀色の穂を出して観賞します。
 和名のシロガネヨシは、穂の白銀色から命名されたと言われています。
 乾燥にも強く、病害虫もありません。肥料もほとんどいりません。あえて言うならば、寒さが苦手です。
 0℃くらいまでは問題ありませんが、極端に冷える場合は株周りにマルチングを施すか、ビニールで覆います。
 主な作業としては、枯れ葉除去です。

 花穂を観賞した後の冬場は全体が枯れ葉状態になります。その時点で切り戻しても構いません。(みなさんが美しくなくなったと思った時でOKですよ)

2021

 寒さよけのためそのまま放置し、翌年の春3月~4月頃、新芽が出る前に前年の枯れ葉と花穂を切り戻すことも出来ます。
 株が大きくなっているなら掘り上げて株分けします。適期は3~4月、9~10月です。
 春先に切り戻しするなら、同時に株分けも一緒に行うと手間も省けていいですね~。
 秋も株分けが可能ですが、冬場の酷い寒さにあたると枯れてしまう恐れがあります。春の株分けをお勧めします。
 小さい苗や播種した苗の場合、数年は花穂が出ない場合もあります。また、鉢植えより地植えをお勧めします。
 基本が大型タイプです。植付ける場所は最初に考えておくとよいでしょう。

【品種】

  • ホワイトフェザー・ピンクフェザー:どちらも草丈3mほどになる大型種です。白い穂、ピンクの穂が美しく、切り花でも楽しめます。
  • 斑入りタイプ:パンパスグラスの仲間では草丈1mほどでのコンパクトなタイプです。寒さに弱く防寒をしっかり行います。



 次は

タカノハススキ(ゼブリヌス)

2021

学名:Miscanthus sinensis f.zebrinus
イネ科ススキ属 多年草
原産地:園芸品種
(ススキ:中国、商船半島、日本列島、台湾)
和名:タカノハススキ(鷹の羽薄)
別名:ヤハズススキ(矢筈薄)
開花期:9月~10月
草丈:1~2m程度(中型タイプ)

 斑入りのススキです。ゼブリヌスというグループで、葉に黄白色の段斑が入ります(日本では虎斑と呼ばれている)。
 育て方ですが、生育は旺盛、庭植えの場合は特に何も必要としません。耐暑性、耐寒性、どちらにも強いススキです。
 鉢植えの場合、灌水は土の表面が乾いたらタップリと与えます。冬場も乾燥しないよう注意しましょう。肥料が不足すると芽出しが悪く細くなり、穂が出ないこともあります。4~6月に化成肥料を与えます。
 庭植え、鉢植えとも株分けは3~5月が適期です。花穂は9月~10月。
 冬場に葉が枯れてきたら切り戻しをしておきます。
 葉が美しく、比較的コンパクトにまとまります。



その他では

カレックス

2021

学名:Carex
カヤツリグサ科スゲ属 多年草
原産地:全世界
和名:スゲ(菅)
草丈:20㎝~120㎝程度(小型タイプ)

 常緑性で、耐暑性、耐寒性(品種による)ともに強いタイプです。
 品種によって葉の色が銅色やチョコレート色、緑色、黄色とバラエティーに富んでいます。また、葉が糸のように細く、葉先がカールしているものもあります。
 多くの種類は日向でも半日陰でもよく育ちます。ただし、斑入り葉や葉色の薄い品種は、強い日差しにあたると傷みやすくなります。銅葉や緑葉は日照不足になると発色が悪くなります。
 庭植えの場合、水やりは植付け後活着すればほとんど不要です。肥料も植付け時に元肥(緩効性肥料)を与えておくだけで十分です。病害虫も特には確認されていません。
 鉢植えの場合、鉢土が乾いたらタップリと水を与えます。極端な乾燥は葉先から傷みますので要注意。
 肥料は植付け時に元肥を与え、春から秋に置き肥をします。
 増やし方は、数年に1回株分けを行います。適期は3月~4月です。
 種まきも可能です。適期は9月~10月上旬、3月下旬~5月上旬。光発芽種子なので覆土をごく薄くします。2~3週間で発芽します。
 ただし、斑入り品種は種で増やすと斑が消えることがあります。株分けでふやしましょう。
 常緑性で冬の間も葉色を保ちます。古くなってくると葉色が褪せるので3月上~中旬に地際から刈り込むと4月から新しい葉が伸びてきます。
 小型タイプなのでコンテナ植えでも楽しめますね。



最後に

シンボポゴン(レモングラス)

2021

学名:Cymbopogon citrantus
イネ科オルガルカヤ属 多年草
原産地:南インド、スリランカ、東南アジアなど
和名:レモン茅(檸檬茅)
英名:Lemon grass
草丈:80㎝~120㎝程度


 ハーブとして使用されている熱帯性のグラスです。
 レモンの香味成分、シトラールを含有しており、フレッシュな香りが楽しめます。
 刈り取られた葉は、乾燥、粉末、あるいは生のまま使用されます。

 熱帯性なので耐寒性が弱いため、鉢植えで育てて霜よけをしたり、株元にマルチングを施したりします。また、葉を刈り取らずに束ねて保温し冬越しをさせる方法もあります。

 日本では穂がほとんどつくことはないようです。
 葉と香りを楽しむグラスになりますね。

画像の説明

 今回は皆さんが比較的目にしたことのあるグラス類を紹介しました。
 まだまだたくさんのグラスがあります。これからも紹介していきたいと思っています。また、これらのグラス類に似合う植物も合わせても紹介できるといいな~と思っています。

 今までのように様々な花色を中心とした花壇も華やかで素敵ですが、最近の嗜好としては同系色や落ち着いた色合いや自然に溶け込んだような色合いなども好まれるようになってきました。
 身近な公園にグラス類を取り入れることで、癒しの空間が演出できるのではないかと感じています。また、自然の美しさだけでなく、管理の上でも丈夫で手間いらず。一年を通して、様々な姿を見せてくれるのがオーナメンタルグラスのすばらしさだと思います。
 いつか、オーナメンタルグラスを取り入れた花壇を作りたい!と思っています。

 そろそろ花壇の植替え時期ですね~
 暑い夏を過ごした草花は、今、息を吹き返したように元気に花を咲かせているかも知れませんね。
 そうでなかった花壇は土つくりを行って、次の花の植付け準備をしましょう。
 今、花いっぱいの花壇はもうしばらくは楽しめますが、更に気温が低くなってくると傷みが出てきます。思い切って抜き取り、次の準備に取り掛かりましょう。

 これからは日差しが恋しくなります。
 出来るだけ暖かい日を選んで作業をしてくださいね。

(2021/11/01掲載) 

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