花のコーナー 2022年07月
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花のコーナー
御園 和穂##
2022年07月 花壇作り始めました!
6月に梅雨入りしましたが、思うような雨が降りませんね。
たくさんの雨を望むわけではありませんが、花壇や畑の草花に程よく水が行きわたることを望んでいます。虫の良い話ですが~夏場の水やりは本当に大変な作業です。ほんのちょっとでも作業が省けると嬉しいのですが!
今年、5月から花壇の植付けを始めました。
今回の花壇は、ベースをグラス類(昨年11月号に掲載)にして、周辺に草花や多年草を配置しようと考えています。完成までには時間がかかりそうですが~のんびり作製中です。
今回は花壇に植付けた草花を紹介しましょう。
エキナセア
学名:Echinacea purpurea
キク科 ムラサキバレンギク属(エキナセア属)多年草
原産地:北アメリカ
和名:ムラサキバレンギク(紫馬簾菊)
別名:パープルコーンフラワー、エキナケア
花姿に特徴があり、咲き始めの舌状花(花びら)は皿型で水平に開いていますが、咲き進むと外側に反り返り、最後は傘を閉じたような姿になります。
開花時のユニークな姿が「纏(まとい)の飾りの馬簾(ばれん)」に似ていることから、「ムラサキバレンギク」という和名が付いています。
日本でも古くからムラサキバレンギクと呼ばれてきましたが、園芸種の中では、特別親しまれてきた植物ではありませんでした。
近年、花色が増え、一重から八重など品種も多くなり、園芸店や通販カタログでも多く見かけるようになりました。
比較的背が高くなる植物ですが茎がしっかりしているので倒れることが少なく、開花後、花茎を切っておくと次から次へと開花します。晩秋、花がら摘みもせずにそのまま残すと花が美しいこげ茶になると言われていますが~残念ながら私は見たことがありません。今年は見たいと願っています!
ただし、近年の残暑の厳しさと台風の猛威で茎が折れてしまうかも。
エキナセアは花壇植えや切り花としてはもちろん、近頃では独特な姿を生かしてドライフラワーや生け花にも使われています。個性的な花ですね。
花色は紅紫(プルプレア)、白、ピンク、オレンジ、黄色などがあります。
エキナセアは花壇花であると同時に、ハーブとしても親しまれています。
免疫機能の向上や感染予防などの効果が期待され、欧米諸国ではハーブティーにして飲まれることが多いようです。
【※前号でも記載しています。ハーブ類は医療品等ではありません。ご使用の際はあくまでも自己責任の元でご使用ください。】
《育て方》
◆植付け・株分け:3月~4月が適期
◆種まき:3月~4月、9月~10月が適期
~日常の手入れ~
- 日当たりと水はけの良い場所を好みます。日当たりが悪いと花が少なくなります。冬期は茎葉が枯れて休眠します。寒さには強く、凍結さえなければ大丈夫です!寒さが厳しいようであれば、マルチングをしておきましょう。
- 花後は放置せず、花茎から取り除きます。次から次へと開花します。
- 肥料の与え過ぎは病気の元になります。植付け時に緩効性の肥料を与える程度です。
- 株分けはよほどの大きさになるまでは行いません。
- 種の採取をした場合は適期に播種しましょう。自家採取でもよく発芽する方です。
手がかからない訳ではありませんが、比較的強健なタイプの多年草です。個人的にも大きく育ってくれることを楽しみにしています。
春に植付け、やっと花が咲き始めました。
株もしっかりしてきた様子。しばらくは周囲の雑草の抜き取りに専念しようと思っています。
次は
ネペタ(ブルーキャットミント)
学名:Nepeta × faassenii
シソ科 イヌハッカ属(ネペタ属)多年草
原産地:交雑種(栽培地での自然交雑)
ネペタ、たくさんの種類が存在する宿根草です。
広く普及しているものは「キャットミント」と呼ばれ、ネペタ・ファーセニー種です。
「キャットミント」と名前にミントが付いていますが、ハーブのミントとしてではなく観賞用に栽培されています。
ラベンダーのような青紫の小花が穂になって開花します。こんもり茂って、開花時期も長く栽培がしやすい植物です。
園芸品種も多く、濃い青紫から薄い紫、ピンクや白もあります。
今回は苗調達する時に青紫を注文したつもりです。本来のファーセニー種は葉がシルバーグリーンだったような~これも開花するまでの楽しみです!5月に植付け、やっと茂り始めました。
今しばらくは、生育を見守っていきます。
《育て方》
◆植付け・植替え(株分け):3月~4月、9月~10月が適期
◆種まき:3月~4月、9月~10月が適期
~日常の手入れ~
- 日当たりと水はけの良い場所を好みます。生長も早く、それほど場所はえらびません。ただし、梅雨時期の長雨などが苦手。蒸れに要注意です。
- 肥料は殆ど必要ありません。与えすぎると軟弱な株になります。
- 酸性土壌を好まないので、植付け時に土壌改良を施します。植付け、植替え等適期はありますが、真夏・真冬を避ければどの時期でも問題ありません。
- 梅雨時期前に蒸れ防止として刈り込み、冬に入る前には地際(10~20㎝ほど残して)で刈り込みます。
- 種の採取は可能ですが、播種して増やした株は個体差がでます。本来の特性を残したい場合は「挿し芽か株分け」をお勧めします。
エキナセア同様、比較的手のかからないタイプの宿根草です。こちらも大きく生育してくれることを楽しみにしています。
次は
宿根サルビア ネロモーサ
学名:Salvia nemorosa
シソ科 アキギリ属(サルビア属)多年草
原産地:ヨーロッパ・アジア
サルビア・ネロモーサは、ヨーロッパ中央部を中心にアジア西部まで広く分布しており、広葉樹林の中の乾燥気味な草原に自生しています。
開花時期は5月~6月で、茎の頂部に小さな花を穂状に多数咲かせます。
花色は濃い青紫やピンク、白があります。
写真は今回植付けしたピンク色のネロモーサです。
ネロモーサは初夏に開花するタイプですが、秋に開花する大型サルビアのレウカンサやマジェスティーなども目を引きます。
宿根サルビア類も多くの品種が入手できるようになりました。季節によって開花するサルビア類と今回植付けたグラス類との組合わせはよく似合うと思っています。グラス類にも引けを取らない株に育ってくれることを!
《育て方》
◆植付け・植替え(株分け):3月~4月が適期
◆種まき:3月~4月、9月~10月が適期
~日常の手入れ~
- 日当たりと水はけの良い場所を好みます。生長も早く、それほど場所は選びません。真夏に西日は避けてください。
- 肥料は春と秋に緩効性肥料を控えめに与えます。
- 花後に株元で切り戻し、耐寒性の弱いタイプはマルチングをしましょう。
これまたほんの一手間で元気に育ってくれるタイプです。ネロモーサはほどほどの大きさですが、秋から開花する大型タイプのサルビアもこれから仲間入りの予定です。
今回の花壇は、10年ほど前に手掛けた一年草を主として年2~3回植替えるタイプの花壇でした。
再びこの花壇に関わるとは想像すらしていませんでした。
どんな花壇にしようか?悩んだ末、グラス類をメインとして、さらに全体の半分以上に多年草を配置し、残りの部分は季節ごとの一年草と葉物で仕上げていこうと。
グラス類や多年草は、徐々に生長をしていくので最初は淋しいし、花も一年草のような華やかさはありません。これから時間をかけながら、グラス類の葉の美しさ、色合いや穂の姿、時期になると開花する草花と一年草など、目で見て季節を感じて頂き、周年を通して植物の変化を楽しんでもらえたら「嬉しいな~」と思っています。
今はベースを作っています。
全ての植物が今回の花壇の中で元気に生育できるかどうかもわかりませんが、土地にあった植物を選びながらつくっていきたいと思っています。
今回紹介した植物は、比較的手間のかかりにくいタイプのものです。
(花壇内に使用しています)
よく勘違いされるのが、『「手間がいらない」と言われたのに枯れてしまった。』
ここで言う、「手間のかかりにくい」タイプとは、放置ではなく、それなりの世話をして生育させいくことを意図したものです。そこのところご理解ください。
今後も花壇の生育状況はお知らせできれば~と思っています!
皆さんの花壇、植替えから1か月ほどが過ぎました。今が「花盛り」だと思います。晴天続きで梅雨の雨は期待薄かもしれません。
私も雨を期待していますが、晴天が続くと「夕方から灌水どうする?」と連絡をしてくれる仲間がいます。本当に感謝!感謝!です。
6月は、日本各地で記録的な暑さに見舞われました。梅雨明けと同時に一気に真夏の到来ですね。
「草花」を植えてしまった以上は~覚悟の管理です。
まずは、体調管理を第一に、作業の時間ややり方も十分に考えて草花を育てていきましょう!
毎年この時期に記載していますが~
『一人では管理に行かない。水分補給はしっかり行う。気分が悪くなりそうになる前に無理せず日陰で休む。日中の作業は長くは行わない』など。
分かっていても、つい頑張ってしまう姿が見えてしまいます。
朝夕の涼しい時間を有効に使って、無理のない管理を行いましょう。
倒れたり寝込んでしまっては元も子もなくなってしまいますからね!