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花のコーナー 2022年08月

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花のコーナー

御園 和穂##

2022年08月 夏の花木

 今年は早い梅雨明けでした。
 7月上旬には、すでに真夏の日差しと高温。また、雨も少なく植物管理は大変でした。
 梅雨に合わせて植付け、種まき、挿し木して準備万端。
 待ち望んだ梅雨前線はどこへ行ってしまったのやら~。
 「こんな年もあるよね~」とひたすら灌水。幸いにも中旬ごろから梅雨の戻りのような雨が降ってくれたので一息つけた次第です。
 今年は春から公園の植物管理を行っています。花壇のベース作り中、広い公園を歩き回りながら意外にも様々な樹木が植えてあることに気が付きました。
 今回は公園内に開花している「夏の花木」を紹介します。

モクゲンジ

2022

学名:Koelreuteria paniculate
ムクロジ科 モクゲンジ属 落葉広葉樹高木
原産地:中国、東アジア
中国名:木患子 
英名:Golden rain tree、pride of India
別名:センダンバノボダイジュ(栴檀葉菩提樹)
樹高:2~12m  
花期:5月~7月

 日本では、本州の日本海側の海岸沿いや山間部に野生樹が見られますが、本来、自生なのかどうかは不明だそうです。
 1740年代にアジアからヨーロッパへ。1760年代にアメリカに導入され、景観樹木として好まれました。
 日本では寺院や境内に多く植えられ、近年では公園など広域の場で見かけるようになりました。

2022

 初夏、枝先に30㎝ほどの穂状に蕾を付け、たくさんの黄色い花を咲かせます。
 花は独特の香りがあり、ミツバチにとっては格好の蜜源になるそうです。
 私はずっと「センダンの木」だと思っていました。葉はセンダンそっくりだったので~ 
 しかし!開花した時に、「センダンにも黄色い花色があるのかしら?」と。
 樹名板もついてなくて、調べてみたら「モクゲンジ」でした。
 モクゲンジという名は中国名のムクロジ「木患子」を音読みした「モクカンシ」が訛ったものと言われています。また別名の「センダンバノボダイジュ」。
 葉がセンダンで、種子が菩提樹に似ていることからそう呼ばれていたようです。
 開花した花が散るとき、その姿を金色の雨に例え「Golden rain tree」という素敵な英名も付いています。

2022



 花は雄蕊、雌蕊をもつ両性花で、花の中心部は赤い色をしています。
 花後はホオズキのような袋状の実を付けます。(←写真参照)

 秋になると袋状の部分が茶色になり、弾けます。(↓写真参照)


2022

 袋の中には5~6㎜程の硬い黒い種子が3~6個入っています。
 この種子は、首飾りや数珠に加工したり、炒めて食用とすることもあるそうです。
 今年は数珠の作成と種子を炒めて食べてみたいと思います。
 さて、小さい種子にどうやって穴を開けるのか?
 出来上がったらお見せしますね~



次は

シマサルスベリ

2022

学名:Lagerstroemia subcostata
ミソハギ科サルスベリ属 落葉広葉樹高木
原産地:中国中部、台湾及び奄美諸島
英名:Chinese crape myrtle
別名:シマヒャクジッコウ
樹高:最大20m 
花期:6月~8月

 幹は直立性でよく分岐し、自生地では高さ20mにもなる高木です。

2022

 サルスベリの白い花と言われる方もいますが、サルスベリの近縁種で開花時期も同じですが、「百日も咲き続ける」ほど花期は長くありません。また、花色は白のみで、サルスベリに比べると花は小さく華やかさに欠けます。
 樹皮は赤褐色で滑らかで、薄くはげおちた部分はサルスベリより白く、大木になるほど幹がうねり、その美しさはサルスベリに勝るとも言われています。幹肌は夏は白く、冬は赤褐色になります。また、今年伸びた枝には淡褐色の短い毛が生えています。

2022

 材質は堅く、建築や家具、薪炭材などに使用され、葉は染料にも利用されています。
 秋には1cm程の果実が付き、さく果で熟すと6裂に裂けます。
 また、条件が整えば美しい紅葉を楽しませてくれます。
 名前の由来は、表皮がはげた跡の幹肌がシマ模様になるからだろうと勝手に思っていましたが、「~島」に自生していたことから「シマサルスベリ」と呼ばれるようになったそうです。
 背が高くなる樹木なので、通常のサルスベリのようにコブが出来てしまうような剪定をしなくて済むような、公園のような広い場所が良いですね。
 少し地味ですが、夏らしい樹木だと私は思っています!
 ツルツルした幹に、そっと触れるとほんのりの冷たさを感じさせてくれます。

 
 合わせてサルスベリも紹介しておきましょうね。

2022

 中国南部原産で、日本に自生はありません。公園樹や庭木、街路樹として導入され、一般的になりました。
 幹肌は樹皮が剥げてツルツルしており、猿が登るのも難しいとのことから「猿滑り」と名付けられたようです。
 花が少ない夏季に美しい色合いの花を咲かせる花木で、梅雨明け頃から秋口まで長く花を楽しめることから「百日紅(ヒャクジッコウ)」という別名も持っています。

 個性的な樹木なので、単独で植えるか、庭のポイントとして楽しむことをお勧めします。樹形は、枝先がコブ状のものを目にしますが、これは作業効率を考え同じ箇所で剪定を繰り返すためで、本来の姿ではありません。
 また、その年に伸びた枝の先に花を咲かせます。くれぐれも春の剪定ではなく、落葉後に剪定してくださいね。



 次は。花木ではありませんが、シマサルスベリの周辺にたくさん開花していました。夏を代表する花です。


アガパンサス

2022

学名:Agapanthus
ヒガンバナ科ムラサキクンシラン属
(アガパンサス属)多年草(常緑・落葉あり)
原産地:南アフリカ
開花期:5月下旬~8月上旬
花色:青紫、白、複色

 厚みのある革質な葉が茂っている中から花茎を伸ばしその先端に大きな花を咲かせます。花は涼やかな雰囲気を持ち、立ち姿は優雅です。
 南アフリカに20種ほどの原種が自生しており、交配により300以上の園芸品種が育成されています。
 公園や花壇、コンテナ植えや切り花やアレンジメントでも親しまれています。
 株周りが1mを超える大型種から小鉢でも育てられるような草丈30㎝ほどの小型種まであり、花の形も花筒の細いものからラッパ状に広がるもの、星形のものとバラエティーに富んでいます。
 冬期は地上部が枯れて休眠するもの、周年葉が茂ったもの、その中間タイプなど様々です。

2022

 比較的育てやすく、手がかかりにくい植物の1つです。
管理する場合、花後、長い茎の元から取り除きます。放置すると鞘が熟して種が付きます。播種するなら「取りまき」です。
 開花までは3~4年かかります。
 また、3~4年に1回、株分けをしましょう。3~4月もしくは10月が適期です。この際に折れた芽や根の少ない株は挿し芽用用土に挿しておくと苗が出来ます。

 存在感のある植物の1つですね。
 出来るならアガパンサスも広い場所にまとめて植えておくと、数年でボリュームが出て、初夏から素敵な花を咲かせてくれますよ!

 公園などに植えられている樹木は、意識をしていないと「何の樹木だろう」と思わないことに気が付きました。
 ずっと親しんできた公園で、たくさんの樹木を見てきた「つもり」だったのですが、花が開花して「初めて気が付いた」花木がたくさんありました。

2022

 実は、4月中旬ごろ「ユリノキの花」を確認しました。
 樹高は20mほど、はるか上に沢山の花を付けていました。
(写真:ユリノキの花です)
 これは花柄が株元に落ちていたので気が付きましたが・・・。見落としてしまうかも~

 私たちの周りには、大小さまざまな公園や広場があります。
 きちんと設計され、樹木や花木は吟味されたものが植樹されているのです。
 あまりにも「当たり前すぎて」で見過ごしてしまいがちですが、これからは是非とも意識して樹木も観賞してみてください。
 驚くような発見があるかも知れませんね!

 8月、「夏盛り!」です。
 気温も高く、日差しも強く、日中に活動をすることは厳しい時期です。
 もしも公園散策するなら~朝早くか夕暮れに、飲み物を常備して、のんびりと歩いてみてくださいね。
 草花管理も同様です。雨が降らなければ水やりが大変ですが、朝夕のしのぎやすい時間にサッと作業を済ませてしまいましょう。
 出来れば一人ではなく複数人で行いましょうね。
 無理は禁物ですよ!

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