夏の植物管理
 「夏の花」どんな管理をしていますか?
梅雨明け前に切り戻しをしなかった草花の多くは「まだ元気」な状態でしょうが、夏も終わりに近づくと暑さに疲れて株が傷み「もう枯れそう」になってしまいます。でも、まだ間に合う「夏の過ごし方」をご紹介しましょう。
8月、まだまだ日差しは強烈です。
もちろん、夏の日差しが大好きな植物もありますが、私たち人間もこの暑さにかなりの体力を消耗してしまいます。植物も同じなのですよ。

そこで、夏越しのポイントを少し挙げてみましょう。
まずは、「切り戻し」です。本来、梅雨明け前くらいに行うと良いのですが、うっかり忘れてしまったら・・・。今からでも遅くはありません。
  前回ご紹介した「カラーリーフ」で作ったコンテナ。7月現在のもの。

 前回ご紹介した「カラーリーフ」で作ったコンテナです。
中央にサルビア・ファリナセアと回りをコリウスで植込んでみました。
 6月の下旬に植込み、7月下旬の生育状態です。
植込み時は隙間だらけでしたが、サルビアがコリウスに隠れてしまいそうです。
このまま育っていくと株元に日が当たらないので茎が徒長してしまい、全体に倒れ気味になってきます。もちろん夏の強い日差しで葉も焼けますし、水も沢山必要になりますので管理も大変。そこで切り戻しを行います。
  切り戻しをした状態

 全体に一回り小さくなるように、コリウスは二つくらい下の茎を確認してカットします。サルビアも茎の数を減らし、花数も減らしてあげましょう。
 肥料はいつもの半分くらいを与えます。少し寂しくはなりますが、夏の終わり頃を目途に再度行ってあげると、秋口から晩秋まで美しい花と葉を楽しむ事が出来ます。
 花壇植えの場合は切り戻しを中心に行うと良いでしょう。

〔その他の切り戻しの方法〕
ペチュニアやバーベナ、サルビア、ジニア、マリーゴールドなど。
育った株の中を覗いてみてください。下葉の茎の部分にわき芽が伸び始めている節の上で切り戻しをします。その時枯れた葉等も取り除き、株元を綺麗にしておきましょう。
特にサルビアは8月中旬以降、全体を半分くらいの所で切ります。
背が高くなってしまっているので姿形を整えるにもいいですね。

次は、「日陰をつくる」です。
コンテナ、鉢類は移動が可能なら樹木の下のような木陰に動かしましょう。
ベランダやテラスは特にコンクリートなどの照り返しが強いので、ヨシズを立てかけたり、ちょっとお洒落にジュートの布等でシェード(日陰)を作ってみてはいかがでしょう。特に西日の当たる場所はお薦めします。
窓の上にフックを付けて、ベランダの手すり側に布を垂らしてみては。風に飛ばされないようしっかり固定はしてくださいね。
また、鉢類の下にレンガや熱の伝わりにくい板等を敷いてあげてください。小さい椅子や棚などに載せるだけで風通しも良くなります。
さらに、「水やり」ですよね。
切り戻しやシェードを作ってあげると植物達もずーっと過ごし易くなるはずです。水やりは1日1回必要ですが、乾燥し易いのでよく観察してあげてくださいね。散水ホースやジョロに残った水は高温になっていたりするので、必ず確認してください。また、水をあげる際には周囲にもタップリ水をかけてください。気化熱によって周囲の温度も下げることが出来ます。
朝はもちろん、熱帯夜を涼しく過ごすなら夕方の水やりも効果的ですね。


「水やり」で、ちょっとアドバイス。
夏休みも本番、行楽や旅行、お盆の帰省をされる方もいるでしょう。
「留守中の水やり」どうしよう。という方も多いのでは?
全ての植物に対応は出来ませんが、日数や置き場によっても異なりますが、あくまでも「目安」にしてみては如何でしょうか。
(特に鉢類対応と上記の「管理をした」を条件として)
 
・日帰りの場合(そんなに心配はないかも)
      外の鉢類や花壇は、朝タップリ水をかけるか夕方戻ってからかけてあげてください。
・2〜3日程度
      ペットボトルなどを利用します。鉢の大きさに合わせてボトルの大きさを決めます。苗の大きさ等にもよりますので事前にチェックしておくといいですね。
 園芸店やホームセンターにいくと、ペットボトル用のノズルが販売されています。そのノズルを口の部分に取り付けます。
鉢類には直射日光が当たらないようにして、ノズルを付けたペットボトルにはアルミ箔を巻いておきます。(水の温度上昇を防ぐためです)
鉢類の端にノズルを差し込みます。その際、大きなペットボトルの場合転倒しないように固定してください。
 鉢の数が少ないのなら、細いチューブや細く切った不織布を使って鉢類より高い位置に水の入ったバケツやペットボトルと設置し、チューブや布をバケツ等から鉢の端に滑り台のように垂らします。 布等を伝って水が鉢等に流れ込む仕組みです。
 もちろん底面給水でも構いませんが、直接鉢等をバケツに付けて行く事はやめてくださいね。根腐れしてしまいます。
受け皿に水耕栽培用用土(ハイドロボール等)を敷いて用土の表面まで水を張り、その上に鉢を置いておきます。
・長期にわたって
      長期の場合は上記の方法では限界があります。
 装置に手間はかかりますが、水やり装置を使う方法があります。
水やり装置は水道水を少しだけ出しっぱなしで、随時流れているタイプとタイマー式タイプがあります。
園芸店やホームセンターで入手可能です。
 
      それ以外では、「お友達」にお願いをしましょう。
管理のし易いように配置等は考えて、後で文句は決して言わない覚悟もしてください。合わせて郵便物や防犯も兼ねて安心です。
是非、「お土産」は忘れないようにね。
 植物を育てる事は大変なことです。しかし、安らぎや潤い、喜びを与えてくれることもご存知ですよね。
 暑い日もあれば寒い日も、外出や旅行、出張と様々な事があります。
「だから出来ない」ではなくて、「だからやってみよう」で頑張ってみませんか。
傷んでしまっても回復の方法がわかっていれば、ちょっとした工夫を知っていればより元気になりますよね。もしかすると枯れてしまうかもしれませんが、繰り返しチャレンジする事も大切です。
  さあ、「暑い夏」残りわずかです。楽しみましょう!
 

御園 和穂

(08/08/01掲載)

 
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