秋への準備
  長く続いた熱帯夜が途切れ、少し涼しさを感じるようになりましたね。
夏の厳しい暑さに耐えて頑張った、花壇の花やコンテナの草花は一気に元気がなくなってきたようです。
「草花の夏バテ」そのものですね。
9月はそれらの回復に向けての1ヵ月になりそうです。
 今年、一番様子を変えたのはゼラニュウム(アイビーゼラニュウムも)でした。
 葉の先が白っぽくなります。(写真参照)
 毎年見られるのですが、今年は6月には症状が出ていました。
 「病気?」とよく聞かれますが、夏の暑さによる高温障害だと思われます。
 最近は夏の暑さが厳しく、30℃を越える日が殆ど。
 ゼラニュウムの生育適温は15〜25℃程度。高温になると栄養吸収ができなくなり、葉緑素などの合成が出来なくなるため、葉が白っぽくなると言われています。病気ではありませんので、秋になり涼しくなれば緑の葉に入れ替わり元の姿に戻ります。ゼラニュウムは場所によりますが暖かい場所であれば冬でも開花します。よく繁殖しますので一株は持っていたい植物ですね。
 簡単に「挿し木」ができます。挿し木の適温は20℃くらい。挿し穂は葉を一枚程度付けておき、切り口に発根促進剤をつけ、赤玉土の小粒かバーミキュライトを湿らせた用土にさし、葉に水がかからないよう管理します。
3〜4週間で発根します。その後は鉢に植え替えてあげてください。
  葉の先が城っぽくなったゼラニュウム   葉の先が城っぽくなったゼラニュウム

 9月は、夏から秋へと季節の変わり目になります。
 ちょっと早いと思われるかもしれませんが、同時に冬から春への準備を始める時期でもあります。
 夏の暑さで傷んだ草花、枯れてしまった草花は抜取り、秋の草花を植え付けます。全体を植替える方法もありますが、切り戻しを行い生育可能な草花は残して、部分的に補植を行います。
 宿根草などが周囲にある場合はそれらの根を傷めないよう傷んだ草花や枯れた草花を取り除き、残った根や株を取りのぞき、耕してからポット苗を植え付けます。その後はタップリ潅水してください。
 少し涼しくなったとはいえ、日中はまだまだ暑いですし乾燥しています。
 毎日の潅水は手抜きのないようお願いしますね。
 肥料に関しては、「草花も夏バテ状態」です。私たちも夏バテの時、無理して栄養の付くものを沢山食べると、かえって体調が悪くなりますよね。植物も同じです。栄養剤や肥料をやるより、少し全体を休ませるか液体肥料を通常より薄めに(2000倍〜)潅水代わりに与えた方が効果的だと思います。
 そして回復を待ちましょう。
 
 秋の草花は、気温が少しずつ下がる事で夏の疲れを癒しながら花を咲かせます。初夏の頃のように活動的ではありませんが。
 また、涼しくなると草花本来の花色が鮮やかになります。花自体も長く咲き続けます。
 秋色はどんな色合いでしょうか。
 真夏のようなブルー系もいいですが、赤や黄色、オレンジ色を連想しますね。
 紅葉の感じ?でしょうか。
 補植の際にはその点も考えて草花を選んでみてはいかがですか。

 〔例えばこんな苗:11月一杯は咲き続ける、宿根草は来年の秋にも開花〕
  ・ アゲラタム 赤紫色
  ・ ジニア・リネアリス  黄色やオレンジ
  ・ ヒャクニチソウ(ジニアの大輪系) 黄色、オレンジ、赤、ピンク等
  ・ コスモス(鉢物・一年草)白、ピンク、赤
  ・ シュウメイギク(鉢物・宿根草)ピンク、白
  ・ セロシア  ピンク、濃ピンク
  ・ ケイトウ類 ピンク、赤、オレンジ、黄色等
  ・ 宿根アスター(鉢物・宿根草)ピンク、青紫、白
 など等、秋口から出回る草花、植物は沢山あります。
 11月の下旬から12月中旬には冬から来年春の草花に植替えです。
 開花期が短いですが、その季節の演出も楽しんでみてはいかがでしょう。


 9月は次のシーズン用の種まきの準備期間でもあります。
 苗を購入して植えるのもよいですが、「種まき」も楽しいものです。
 秋まき一年草の種まき適期は9月中旬から下旬です。
 パンジーやビオラ、アリッサム等のように初冬から花を咲かせるものや、ルピナスやジキタリス等、春までに株を大きくしておきたいもの等はこれからがシーズンです。
 種まきと合わせて、チューリップやスイセン等の秋うえ球根も品種や色合いを考えておくとよいでしょう。
 もちろん植え付けはまだ先の話ですが、人気のある色合いや品種は品切れになる前に購入したいですね。

 今年も本当に暑い夏でした。
 高校野球、オリンピックも開催され、毎晩遅かったのではありませんか。
 日中は強い日差しに打たれ、夜は遅くまでテレビ観戦。
 そろそろ、皆さんも「夏バテ」なのでは。
 秋の夜長、ゆっくり体を休めることも大切ですよ。
 心地の良い季節はあまり長くは続きませんが、寒い季節が来る前のほんの一時。ペースを緩めて、花など眺めて見てはいかがですか。

 

御園 和穂

(08/09/01掲載)

 
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