コスモスとその他のコスモス
 9 月「十五夜(中秋の名月)」はまん丸の素晴らしいお月様でした。
それから1ヶ月後、旧暦9月13日の夜のことを「十三夜」といい、中国から十五夜の風習が入る前には十三夜という日本独自の習わしがありました。
 十三夜は「豆名月」とも呼ばれ、お供え物には旬の豆や栗が飾られます。
 秋の澄みわたる夜空、お供え物をつまみながら、ゆっくり観月したいですね。

 随分と涼しくなり、少し遠出して観光地などへ足を運ぶ機会が多くなる時期です。 今回は道すがらよく見かける「コスモスとその他コスモス」をご紹介いたします。

 コスモス 学名:Cosmos bipinnatus 一般名:秋桜(アキザクラ) キク科コスモス属の一年草です。
 原産地はメキシコの高原地帯で、日本へは、幕末オランダ人によって薩摩から伝えられ、その後様々なルートを経て日露戦争以後、各地に広まったとされています。
 外来種ですが、日本の風景にこれほど溶け込んでいる植物も珍しいかもしれませんね。
 コスモスの語源はギリシャ語の 「秩序」「飾り」「美しい」という「Kosmos, Cosmos」の言葉に由来されると言われています。
 花の季節は夏から秋にかけて開花しますが、やはり澄んだ秋晴れの空をバックに、風に揺れる姿はなんとも言えぬ風情があります。
 また台風による強風で、1.5m程度まで伸びた茎を倒しても、その部分から発根してまた立ち上がり花を咲かせます。
 見た目の可憐な弱弱しい雰囲気とは裏腹に丈夫な植物です。
 日当たりと水はけの良い場所であれば、痩せ地でもよく育ち、5月中旬の気温が安定したころ種を蒔きます。
 開花は8月下旬からです。遅く咲かせたい場合は、8月下旬から9月上旬に種を蒔くと、短日(※ 注)により草丈の低い姿で10月中には開花します。
 また、毎年こぼれ種でも自然に発芽しますので、草丈を抑えたい場合は発芽後、背丈が40〜50cmに伸びた時点で、半分くらいに切り戻します。
 ただし、切り戻しをしたからといって、開花が遅くなるのではなく、背丈が少し低くなるということです。
※ 注 短日(短日植物)とは: 自然界では日の長さが短くなると花を咲かせるタイプのもの。 植物は、一日の明るさの長さに左右され、暗期の長さが、ある一定の時間より長くなるような光の条件下で花を咲かせる準備を行います。(花芽の形成)
 明期より暗期の時間が長いというだけでは効果はなく、一定以上に連続した暗期が必要になります。
 今は品種改良のおかげで、日の長さに関係なく「種を蒔けば60〜70日で開花する」コスモスもあります。
←センセーション(サカタのカタログより)   ↑ベルサイユ
 代表品種がベルサイユとセンセーションです。
 用途に合わせて、種を蒔いて見るのも楽しいものです。
 
 10月になるとあちらこちらで「コスモス街道」が出現します。秋風になびく長い街道は車からの景観をより素晴らしいものにしてくれます。
 北九州市では、若松の海岸沿い495号線の途中に約1kmに渡り植付けされています。 この全てがボランティアさんによるものなのです。
 そろそろ見頃になってきますので、一度は足を運んで見ては如何でしょう。
 
 
 もう一つのご紹介は、その他コスモスです。
 まずよく見かけるキバナコスモス。
 
 キバナコスモス 学名:Cosmos sulphureus キク科コスモス属の一年草です。別名:キバナアキザクラ。
 原産地はメキシコで、18世紀にスペイン・マドリードの植物園に送られ、ヨーロッパに広がったとされています。
 日本へは大正時代初期に入ってきたとの記録が残っているようです。
 普及し始めたのは1960年代に入ってからで、今までにない色合いの作出で人気がでました。
 名前の通り「コスモス」の一種ですが、花色は黄色やオレンジ色、近年では八重や赤色など色彩は華やかで草丈もわりと低めで、夏の暑さにも元気良く花を咲かせます。
 病害虫の被害も少なく、痩せ地でも水があれば問題なく生長します。
 日照が少ない場合は葉などの形が崩れる場合もありますので日当たりの良い場所を選んでください。
 また、枝が沢山分岐しますので一度花が咲き終えたら、夏場に切戻しをしておくと長い期間楽しむことが出来ます。(基本の開花時期は7〜10月一杯)
 学名のsulphureusスルフレウス は「硫黄色」という意味で、花色から付けられたという由来もあります。
 性質はとても丈夫で、特に気候が涼しくなってくると、花の色が鮮やかになります。
 花壇は勿論のこと、広い場所へ沢山植付けるとピンクのコスモスとは趣きが異なりますが、見ごたえ十分です。
 
 チョコレートコスモス 学名:Cosmos atrosanguineus キク科コスモス属の多年草(半耐寒性)です。
 原産地はメキシコで、1902年から栽培が始まり、日本へは大正時代に渡来しています。
 浜名湖の花博で取り上げられ、近年栽培も多くみられるようになりました。(写真:図鑑より参照)
 分類は多年草ですが、特に原種タイプは日本の冬は少し苦手のようで南向きの暖かい場所であれば冬も越します。(冬場は株元から上部はなくなります)
 また高温多湿の真夏も少し苦手。 出来れば風通しの良い、木陰が良いようです。しかし日当たりが悪いと徒長してしまいます。
 高さは40〜50cm程度で5〜10月にかけて濃いワイン色のような黒い紫のような一重の花を咲かせます。
 名前の通り、チョコレートのような香りがするのが特徴です。
 花壇でも使用できますが、どちらかといえばコンテナで栽培する方が無難かもしれませんね。
 他のコスモスとは異なり、可憐な感じで個性的です。

 ストロベリーチョコレートコスモス 学名はチョコレートコスモスと同じで、キク科の多年草(半耐寒性)です。
 キバナコスモスとチョコレートコスモスの交配種です。(写真:図鑑より参照)
 従来のチョコレートコスモスより大輪で深みのある赤が特徴です。
 香りはイチゴのようなチョコのような甘い香りがするような・・・。
 開花期は6〜10月で種は出来にくいようなので、株分けによる繁殖になります。
 キバナコスモスの生育旺盛な部分を受け継ぎ、株も大きく育ちます。
 一度開花したのち、切戻しをすると秋口から再度咲き始めます。
 冬場は株元で上部はなくなります。
5℃程度まで耐えられますので、腐葉土やバークなどでマルチング(覆い被せる)をしておくと良いでしょう。
 その他、コスモス園芸種は沢山あります。
「ワインチョコ」「カカオチョコ」「ビターチョコ」「キャラメルチョコ」等など。
まだ育てた事のない品種ばかりです。
 上記の新しい品種は一度チャレンジしてみて、どんな感じに生育するのかハッキリわかった時点でご紹介しましょうね。


 季節は晩秋へ向っています。
あっという間に「過ごしやすい季節」は終わってしまいます。
紹介しましたコスモス達を探しに出かけてみませんか。

御園 和穂  

(11/10/01掲載)  

前回へ バックナンバー 次回へ