花も咲いて紅葉も美しい花木
 本格的に寒くなってきました。
先月までは時折蒸し暑かったり、日中は夏日だったり天候が定まりませんでしたが、そろそろ紅葉も楽しめる季候になってきました。
 
 今回は紅葉の季節に合わせ、春から初夏に花をつけ秋から紅葉が楽しめる花木をいくつかご紹介します。

 まずは、個人的にとても好きな花木低木の一つ。
ドウダンツツジ 学名:Enkianthus perulaytus ツツジ科の落葉低木。
日本原産で四季折々に魅力的な花木です。
 ドウダンツツジの「ドウダン」は、枝分かれしている様子が灯台の脚の部分に似ている事、また燭台(ショクダイ)に似ている事から「トウダイ・ショクダイ」が変化して「ドウダン」になったと言われています。
 漢字では「満天星」と表記されますが、こちらは中国名に由来するようです。
 学名はギリシャ語の「妊娠する」という言葉と「花」が語源でEnkianthus(エンキアンサス)「膨らんだ花」を意味します。
 開花時期は4月上旬から5月上旬で、丸い蕾がポコッと咲きます。
形はスズランのようなつぼ型の花で何とも言えない可愛らしさがあります。
 満天星という言葉もピッタリで、一斉に開花する姿を星空になぞらえているようです。
 葉はひし形のような少し角ばった形をしていて全体に密につけます。また、枝分かれが多く、樹形は様々な刈り込みに耐えられます。
 生育は旺盛で寄植えや生垣に最適です。花後の葉の緑も美しく、通常のツツジ類とは違い病害虫の発生も少ないので、育てやすい花木です。
 秋口に入ると少しずつ紅葉を始めます。
 花も楽しめますし、ドウダンツツジといえば紅葉も魅力的だと言えます。
 写真は10月の中旬に撮影したものですが、少し紅葉が始まっています。
 さらに秋が深まると、葉が「真っ赤」になり美しい姿です。
 半日陰でも育つ樹木ですが、花、紅葉まで十分に楽しみたい場合は、日の当たる場所で育ててください。
 紅葉が終わると落葉します。枝分かれが多い樹形ですので、枝のみの姿は少し枯れた感じがするのは言うまでもありませんが・・・
ドウダンツツジの紅葉
ドウダンツツジの紅葉
ドウダンツツジの生垣 (図鑑参照)
ドウダンツツジの生垣 (図鑑参照)
同じ仲間にサラサドウダンがあります。
 ドウダンツツジより少し開花が遅く、花はピンク色の可憐な姿です。
 こちらは暑さに少々弱いタイプですから、やや半日陰で育てたいですね。
 葉も秋には紅葉をします。
 四季折々の魅力があり、一般家庭でも管理のしやすい丈夫な落葉低木です。
(写真:図鑑参照)
 次はハナミズキです。
 ハナミズキ 学名:Benthamidia florida ミズキ科落葉小高木。
 和名:アメリカヤマボウシ 英名:Flowering Dogwood 北アメリカ原産。
 皆さんもご存知のように、1912年、当時東京市長の尾崎氏が友好親善を願ってアメリカ・ワシントンD.C.のポトマック河畔へ贈ったソメイヨシノの返礼として、1915年に日本へきました。
 当初は日本原産のヤマボウシと花姿が似ていることから「アメリカヤマボウシ」と呼ばれていました。
 当初は白花のみで地味なイメージでしたが、1970年代に入ってから本格的に園芸品種が輸入され、赤色やピンク色の花姿で一躍脚光をあびました。
 1990年代から一般家庭でも人気が出て、当時新しく開発された宅地にはシンボルツリーとして植えられ、個人の住宅の庭でもハナミズキを要望されるお客様が多くいらっしゃいました。
 和名「ハナミズキ」に対して英名は「ドッグウッド」と付いています。
 犬? その昔、ハナミズキの樹皮の煮汁が犬の皮膚病治療(ノミ退治)に使用されたとか・・・(本来の治療にはセイヨウサンシュユの木を使用した、との記述がある)、その名が残って「犬の木」なのだそうです。
ハナミズキの蕾(晩秋)
ハナミズキの蕾(晩秋)
開花(白花)
開花(白花)
開花後
開花後
実
紅葉
紅葉
 開花は4月下旬から5月上旬。花びらのような苞(ホウ)の一部がくぼんでいて、キリスト教国では「十字架を思わせる」として親しまれているそうです。
 ハナミズキの花芽は秋口、紅葉を始める頃にはすでに出来上がった状態になり、今年咲いた花の後は実がなります。(一部図鑑参照)
 紅葉は葉全体が赤く染まり、カエデなどと違って落ち着いた色合いをみせてくれます。
 個人のお庭はもとより、公園や街路樹などでも見ることができます。
 ハナミズキと続けば、やはり次はヤマボウシでしょう。
 ヤマボウシ 学名:Benthamidia japonica ミズキ科の落葉高木。
和名:ヤマボウシ(山法師)英名:Kousa Dogwood 日本原産。
 ハナミズキ同様、中央部分が花で周囲の花びらは苞になります。
 名前の由来は花が開花したとき、花の部分が僧侶の頭(坊主頭)に白い頭巾がかぶっている様子から「ヤマボウシ」の名がついたとされています。
 今では一般的になり、よく見かけるようになりました。
 本来は小高い山の中腹や山地に生息していて、清楚なイメージがあります。
 花は茎と葉の間から小枝が直立して、その先に蕾をつけます。茎が上を向くので、花が葉の上についている感じになります。
 樹が高くなると花が確認しにくくなるので要注意。
 花はハナミズキと似ていて、周囲の花びらのような部分は苞です。違うのは苞の先端が尖っているという事です。
 庭木としても利用が多くなってきましたが、本来は山の谷筋に自生する樹木で、水はけがよく常に水がある場所を好みます。
 夏場に乾燥が激しかったりすると、葉の先端から茶色くなって(写真左)いきます。葉は傷んだ感じになりますが、樹木そのものは枯れていません。
 9月ごろに実をつけます。
 集合果といい、(写真左下)直径1〜3cm程度のサクランボのような感じです。
 実は食する事ができ、果肉はオレンジ色でマンゴーのような甘さが美味しいです。
 果皮も熟れるとシャリシャリした感じです。
 この実は果実酒にも適しています。
 春に花を咲かせ、秋に紅葉も美しい花木を挙げて見ました。
 今回は一般的な樹木をご紹介しましたが、まだまだ沢山の樹木があります。
 また、樹木って何気なく植わっているので意識もしないで過ごしてしまっている事にも気づきました。
 もっとキョロキョロしながら「色んなものを見ないと〜」勉強不足です。

 11月は冬花壇への植替え、秋植え球根の植付けの時期になります。
 今年は球根を上手に植付けしてみたいと思っているのですが・・・中々プランがまとまらなくて。
 ・・・でも、実は考えているこの時間が楽しい時間なのですよね♪

 過ごしやすい季節は短いです。 短い秋を楽しみましょう。

御園 和穂  

(11/11/01掲載)  

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