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花のコーナー 2021年04月

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花のコーナー

御園 和穂##

2021年04月 宿根草出動!

 1月は例年になく低温と雪に見舞われました。その後2月、3月は比較的暖かい日、寒い日が交互に訪れ、三寒四温の言葉通りの季節でした。
 4月、そろそろ桜の花も終盤ですが、周辺の花木は花盛りになるころです。
 先日、買い物に行った際には野菜売り場に「白ウド」が並んでいました。
 少し早いかな~と思いながら手にしました。春は芽吹きの季節と同時に山菜の季節でもありますよ~
 本格的な春の到来です。
 
 今回は芽吹き始めた宿根草を紹介します。
 実は、以前に紹介したものがさらに株を大きくして、素晴らしい花を咲かせ始めました。


ラナンキュラス・ラックス(2019年3月)

2021

学名:Ranunculus Rax series
キンポウゲ科 キンポウゲ(ラナンキュラス)属
秋植え球根 多年草
原産地:中近東からヨーロッパ南東部
開花時期:3月~5月

 ラナンキュラス・ラックスは以前にも紹介しました。
 2010年代に宮崎県の育種家が発表し、耐寒性があり露地栽培の出来る宿根草として、最近徐々に人気が高まっている植物のように感じます。

2021

←写真は2019年3月の生育状況です。
 左下の写真は2021年3月の状況です。2年前は鉢の中だけで育っていましたが、現在は鉢から溢れんばかりに葉が茂り、太い茎を伸ばしながら沢山の蕾を付けました。
 開花後、葉が枯れるまで肥料を与えながら育てています。この時期に置き肥と液体肥料を併用して施すのがお勧めです。水も欲しがるので、しっかり与えましょう。


2021

 また、昨年は花後の葉に「うどん粉病」が多発しました。数回薬剤散布をしましたが、なかなかおさまらず苦慮しました。
 真夏には枯れた葉を取り除き、何もない状態で11月上旬に芽がでるまで、水も与えずベランダの片隅に置いておきます。


2021

←写真右側は今年2月の状態です。
 11月の発芽から置き肥と時々液体肥料を与えていました。
 実は、1月の低温と雪の時に、前もって水を与えておらず、乾燥によってシナシナになってしまいました(写真左側)。
 そこからの復活です。
 随分葉が傷んでしまいましたが~ ラナンキュラス・ラックスの強さを感じました。

  余談ですが、『雪が降るから水を与えなくて大丈夫』と思わないでくださいね。
 雪は融けても通常の灌水量にはほど遠いのです。 
 また、低温になった時には「土もカチコチ」になります。
 冬場は天気予報に耳を傾け、「乾燥注意報や低温注意報」が出る時は前もって水を与えておきましょう。

2021

 2年前に植付けてからずっと植替えていません。
 今年は10月に入ったら植替えをしようと思います。
 他の品種も欲しいのですが、ベランダの限られたスペースにはこれ以上鉢の数は増やせないので、移動可能な大きさまでは太らせてみたいと思っています。
【育て方詳細は2019年3月に掲載しています。】


クレマチス(2020年6月)

2021

学名:Clematis
キンポウゲ科センニンソウ属(クレマチス属)
多年草のつる植物
原産地:日本、アジア、北半球の各地に分布
開花期:4月~10月(品種によって異なる)

 
 我が家のクレマチス、3月中旬ころから新芽を出し始めました。
 ベランダのすみっこで、昨年の晩秋、枯れた枝を取り除いてからほったらかしにされていました。
 今の季節から秋まで楽しめるクレマチスは、主張はしませんが楚々とした姿に魅了されてしまいます。


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 現在、世界中で2000種を超える園芸品種が作出されていますが、さらに多くの品種が生みだされてくると思います。
 この季節は、園芸店をのぞくと様々なクレマチスが並んでいます。眺めるだけでも楽しくなりますが~手にすると欲しくなってしまいます。
 昨年、購入し苗はたくさんの花を咲かせてくれました。写真の紫の花は真夏まで開花し、写真左側のベル型の花の方は、6月から10月遅くまで咲き続けていました。
 その後、葉が枯れたら剪定です。


2021

 紫色の花は一重の旧枝四季咲き、ベル型は新枝一季咲き、と記録していました。
 紫色の花は、枯れた茎を半分まで切り詰め、ベル型は地際で切ってしまおうか?どうしようか迷って、地際から20cmほど残して剪定しました。

←紫色の花は「一重の旧枝四季咲き」



 剪定した茎の脇から新しい芽が伸び始めました。すでに花芽もたくさん付いていました。
 この形態が、枯れた枝から新しい芽がでる旧枝咲きの姿です。ラベルには「弱剪定」という書き方がしてありました。
 古い茎の部分から多くの枝を出しながら花芽を付け、茎はそんなに長くはありません。


2021

 ベル型の花は「新枝の一季咲き」
 現在、茎がシュルシュル伸び、すでに1.2m以上になりました。
 20cm残した枝は枯れていました。その脇から新しい茎が数本、まだ他にも新しい芽がでそうです。
 こちらには、花芽は付いていません。
 まずは茎を伸ばしながら栄養を吸収し、その後花を咲かせるようです。
 昨年は思うほど伸びませんでしたが、今年はベランダのフェンスに絡みつくほどに伸びてくれることを~楽しみにしています。
 昨年、剪定の後は何も手を加えませんでした。
 芽の確認ができてから、水やりを開始し、肥料も与えました。これからは、時々液体肥料も与えていきます。
 四季咲きは、最初の開花後伸びた茎を少し切り戻すと再度芽が吹き花を咲かせます。繰り返すと長く楽しめます。
 ベル型の方は、新枝の一季咲きですがつると言うより木立性のように伸びています。調べてみると最初の開花後に2~3芽を残して強剪定するよう記載されていました。
 そこまで剪定する勇気はありませんが、半分くらいの高さで切り戻してみようと思います。まずは試してみないとわかりませんよね。
 結果は、いつかお知らせしますね。
 鉢植えの場合は、数年に1回は植替えが必要になります。適期は12月~2月です。
 クレマチスは移植を嫌います。根を切らないよう丁寧に行ってください。
【育て方詳細は2020年6月に掲載しています。】

 

2021

アマリリスも芽を出し始めました。
 我が家にやってきた年に開花、それから4年間、緑の葉っぱは茂りましたが開花することなく、葉が枯れるまで肥料をやり続けました。その甲斐あって昨年は見事な花が咲きました。
 花後から肥料を与え続け、球根も随分大きくなったように思います。我が家のアマリリスは葉がある程度伸びてから花茎が伸びてきます。
 今年は咲くかな~ 楽しみに待っています。


2021

マーガレットは今年も開花してくれました。もう一つあった別の品種のものは夏が越せなくて枯れてしまいました。
マーガレット(写真のもの)
:モリンバ ヘリオウォーターメロン
 カナリア諸島及びマデイラ諸島原産のキク科の植物です。
 様々な品種がありますが、この品種は強健で比較的育てやすいタイプです。
 芽吹きもよく、大株にすると全体に丸く整った株になります。
 耐暑性もあり、湿度の高い日本の夏でも元気に育ちます。
 3月~5月頃まで開花します。こまめに花柄摘みをすると次から次に花を咲かせますよ。
 気温が高くなってくると花も少なくなるので、全体に切戻しをして夏越しをします。9月後半から再度花を咲かせます。
 開花中は肥料を切らさないよう与えましょう。真夏は与えません。
 11月に入ったら再び切戻しをしておきます。寒さにも強い方ですが、雪や霜にあたると株が傷んで枯れることもあります。

2021

 鉢植えの場合は南向きの軒下で生育させましょう。
 庭植えの場合は、比較的寒風の当たらない場所を選び、寒くなる時は防寒を施しましょう。
 植替えの適期は3月~5月または9月~11月の花後に行います。
 鉢植えは1年に1回。庭植えの場合は2~3年に1回の頻度で行います。
土壌改良を十分に行って、堀上げた根株の傷んでいる部分は取り除きますが、出来るだけ崩さないよう植え替えましょう。
 切戻しをした茎は挿し芽として使えます。5月~6月または9月~10月が適期です。
 春先のマーガレットはとても華やかな雰囲気を演出してくれます。
 我が家は鉢植えなので、蕾が付き始めたらリビングから一番目立つ場所に動かします。
 庭植えの場合はメインポジションに1株あると春一番、華やかな雰囲気を味わえるかも~知れませんよ!

2021

ヒューケラも茂りだしました。
 昨年の春に、以前他のコンテナで育っていたものをまとめて植付けたものです。
 一部寒さで傷んだところもありますが、問題なく育っています。
 花も咲き始めています。
 葉物は葉の色や形を考えて組み合わせると素敵なコンテナや花壇植えになります。

 花にも負けない美しさがあります。株が太ってくるので、鉢植えの場合は1年に1回は植替えをしてくださいね。
 庭植えの場合2~3年に1回、堀上げて古葉を整理して植替えます。
 これからは、肥料を与えて水管理もしっかり行いましょう。

画像の説明

 今回紹介した宿根草類は、春から一定の時期に開花するものや春から秋まで長く開花するものと葉物です。
 「宿根草は手がかからないから簡単」と思われがちですが、一年草に比べると管理をきちんと行わないと毎年開花しなかったりします。ただし、ひと手間かけることでそれぞれの季節がくると美しい花を咲かせてくれます。
 花のない時期もありますが、緑の葉を楽しみ、葉が枯れたら芽が出てくるのを楽しみに育ててみて欲しいものです。皆さんの手元にある宿根草もひと手間加えるだけで見違えるような花を咲かせることだと思います!

 この1年、私たちの生活様式に少し変化があったように思います。まだまだ自粛をしながらの生活ですが、家時間が増えた分、植物と触れあってみてください。意外に『心穏やかに過ごせる』と思います。
 さあ!もう一息頑張りましょう。

(2021/04/01掲載) 

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