響灘ビオトープwithチルドレン〜夏〜
 夏は過ぎてしまい、残暑編になってしまいましたー!今年の夏は暑すぎました…。台風の影響で少し風の強い9月15日の夕方に行ってきましたよ。
 さぁ、着きました!今回も3チルは、駐車場に駐車し終わるか終わらないかのタイミングで車を飛び出し、ネイチャーセンターまで走って行きました。猛暑の夏休みが終わって、少し風がある3時ごろということででしょうか?来場者がたくさんおられました。
 まずは!下の子二人はやっぱりカヤネズミ。「ねんねして重なっとる。ねぇ、ハムスター飼っていい?」
01 恒例1!カヤネズミ
01 恒例1!カヤネズミ
まずは。春からご無沙汰しております
 そこでお兄ちゃんから「ちょっとこっち来―い」と召集がかかりましたが、妹だけはカヤネズミから離れられません。一人置いてお兄ちゃんの所へ行ってみると…
02 来場30000人記念
02 来場30000人記念
俺ここ。僕はどこ?
 来場者1万人、2万人、3万人記念の写真がありました。そう言えば!7月に小学校から子供達がビオトープ見学に行った時に、「ちょうど3万人でね、記念でシールもらったよ」と言っていました。うちの子の勘違いじゃないかと思っていましたが、どうやら事実らしく、上の2チルと、よく見るお友達や先生が写っていました。
 次は、3回目にして初めてのコーナー。顕微鏡が置いてありました。メダカの卵を見られるらしいのですが、長男はピントを合わせることが出来ません。「貸してごらん。お母さんは理科のテスト100点やったんやけ。プレパラートに見たいものをのせてね、これが対物レンズで、これが接眼レンズ。ほんで、えーっと、確かね…」ぐるぐるとダイヤルを回し過ぎてドツボにはまっていると、見かねてスタッフさんが来て合わせてくださいました。「ほんとほんと!心臓がトクトク動いとる!血液が流れとる!」上の2チルに私が加わって奪い合うようにして観察しました。こんな時は末っ子はカヤの外です。黙って横から様子を伺うだけです。
03 メダカの卵の観察
03 メダカの卵の観察
すげっっ!
04 メダカの卵
04 メダカの卵
10日前のはかえっとる。
 そして顕微鏡の隣りには、10日前、5日前、2日前に産まれた卵が並べられてありました。卵の中で、ただの丸い点からだんだんメダカの形になっていく様子がよくわかります。10日前のケースには、なんとかえったばかりメダカの赤ちゃんと、今にもかえりそうな様子の卵があり、かえる瞬間が見られるのではないかとワクワクしました。
 顕微鏡で見る心臓の鼓動といい、産卵日順に並べて目に見えてわかる成長といい、理科の教科書やテレビで見たことはあるのですが、実際に目の前でみると全然感動が違います!ありがとうございました。
05 ゲンゴロウに夢中
05 ゲンゴロウに夢中
こっちに赤ちゃんおるよ。
06 コガタノゲンゴロウ
06 コガタノゲンゴロウ
素晴らしい図鑑です。
07 水生昆虫の標本
07 水生昆虫の標本
こんな小さいのにどうやって刺すん?
08 誰もいない隙に
08 誰もいない隙に
今なら独り占めできる!
 それから水生昆虫コーナーへ。ゲンゴロウと言っても、何十種類もあるのですね。標本がたくさん並んでいて驚きました。大きいのから小さなもの、形がほんっの少し違うもの。ゲンゴロウといいタガメといい、このくらいのサイズで黒光りしている昆虫は、ゴキブリを連想してしまっていけません。それが大小様々ウジャウジャいるのですから、なおさらいけません。しかし子供は違うのですね。私はその場を離れたいのに、水槽や、とても詳しい説明書(手作りなのですが、本当にわかりやすく面白くて素晴らしいものです)、標本を虫眼鏡で熱心に見て3チルは離れません。末っ子が標本を見て「死んだけ針で刺しとん?針で刺したけ死んだん?」と聞いてきましたが、私は答えられませんでした。今日のお母さんはさっぱりです。うーーんと唸っている間に当の末っ子が消えてしまいました。 あれれ?と辺りを見回すと、誰もいなくなったのを見計らって、一人で顕微鏡を覗いていました。末っ子の知恵なのでしょうね。お兄ちゃん達と戦っても負けるので、兄達が興味を持たなくなってから、邪魔されずにそのおもちゃでゆっくり遊ぶという知恵。変な所に感心してしまいました。
09 トンボのクイズ
09 トンボのクイズ
ここが茶色い?
 お次はスタッフさんが出してくれる、写真を見ながらのトンボクイズ。「このトンボとそのトンボ。どこを見て種類を見分けるでしょう?」簡単そうに思えるのですが、写真を見比べても同じ種類にしか見えません。すると次男が「こっちは羽の線が少し薄い」そんなのは個体差でしょー!と心の中でツッコんでると、スタッフさんが「正解!」えぇ〜!そんな微妙な違いで種類を見分けるの!?とても面白かったです。
 お外へ出る前にはもちろん、『見どころマップ』と『今朝はこんな生物がいたよボード』の確認です。チュウヒさん、いるのね、オッケー。今日は見つけるからね。ヒバリさんもいるのね、またピーチュク鳴いて昭和の歌姫を彷彿させてね。

いざ、お外へ。あら、今日はヒバリさんの声は聞こえない。あの美声は春を楽しませてくれるものなんですね。風が強いせいか、鳥類全般、姿は見えませんでした。
10 本日の生物
10 本日の生物
どれに会えるかねー。
11 砂遊び
11 砂遊び
そこに砂がある限り…
12 ツキミソウ
12 ツキミソウ
中秋の名月が楽しみね。
 そして子供は…。おっと砂遊びしていました。とても熱心にしていて私の呼ぶ声も聞こえません。待つのが退屈で横を見ると…。夜に向けてツキミソウのつぼみがほころび始めていました。そういえば中秋の名月は四日後。今年はちょうど満月でしたね。
13 恒例2!岩登り
13 恒例2!岩登り
そこに岩がある限り…
14 何か見つけた!
14 何か見つけた!
なんだなんだ!?
15 セスジスズメ(終齢幼虫)
15 セスジスズメ(終齢幼虫)
気色わるっ!ぐりぐり動くね。
 足を進めて、3チルが恒例の高台での岩登りをしていると…。うわっ!ブックリした黒い幼虫がぐにぐにしてる!3チルが駆け寄り幼虫を囲み、緊急会議を始めました。「オレンジ色の丸、目みたいやね。それで驚かして敵に食べられんようにしとるんよ。何になるんかね。この模様がちょうちょの羽の模様になるんやない?そしたら結構きれいやね。アゲハチョウになるんかねぇ?」なかなか内容の濃い会議でした。
 私も見たことはあるものの何の幼虫か知らなかったので、後日、虫図鑑のサイトで調べてみました。私は十数年前からこの手のサイトの充実さにとても感心し続けています。まず検索方法が様々で、幼虫か成虫か、大分類、色、形、生息地、季節等…。名前も知らない初めて見る虫の、名前から特性から成長過程、育て方、駆除方法に至るまで簡単に知ることができるのです。 それがインターネットよと言ってしまえばそれまでですが、驚くべきことはそんな優秀なサイトの管理者が企業ではなく個人である場合が多々あることです。そしてさらに、以前自分で調べても似てるものが多くて種類を特定できなかった時に、ダメ元でそういったサイトに投稿したことがあります。特定は期待していなかったのですが、何とすぐに管理者からより詳しい情報をくださいとお返事があり、聞かれた項目に対して答えると、これまたすぐにお返事が。この繰り返しにより、種類を特定できて、しかも四国以外で発見された報告は初めてということまで判明してしまいました。偶然、そのサイト管理者の関係者がその虫の発見&命名者だったこともあり辿り着けた情報で、とても興奮しました。
 話は大きく反れてしまいましたが、3チルに美しき成長を期待されたこの幼虫。実は、セスジスズメという蛾でした…。はっきり言って気色悪いです。
 3チルにその不気味な成虫の画像を見せると、下二人は唖然。そして長男は「やられたぁ!セスジスズメか、油断しとったぁ!」なんだ、その、実は知っていたけどコロッと忘れてた的な台詞は。と私がイラっとしていると、長男はすぐに昆虫図鑑を広げて、「これかぁ」と小さな声で言って弟達に見せていました。少しかわいかったです。
16 セスジスズメ(成虫)
16 セスジスズメ(成虫)
インターネットより引用。
17 一本道
17 一本道
気持ちいいです。
 そしてビオトープの見学まで話を戻して。湿地の観察デッキに向かっていると遠くから「♪汽車、汽車、ぽっぽ、ぽっぽ♪」と歌が聞こえてきました。振り向くと腕を車輪にしてくるくる回しながら歌う、末っ子列車が走って来ていました。この一本道と両側の木柵が線路を連想させたのでしょうね。笑えました。
18 アメンボの大群
18 アメンボの大群
つかまえられんー。速いー。
19 恒例3!へばりつき
19 恒例3!へばりつき
今日は何分そこにいますか。
20 大量のジャンボタニシの卵
20 大量のジャンボタニシの卵
あぁ、ピンクが点々と…。
21 鳥の観察デッキで!
21 鳥の観察デッキで
これがこーで、あーやろ?
 湿地の観察デッキでアメンボの大群とピンクのジャンボタニシを例のごとく長時間見たあと、鳥の観察デッキに行きました。
 前回タイミング良く渡り鳥のセイタカシギを観察できたので、今日はチュウヒを見つけられるんではないかと期待していましたが…。全然。何にも。
 3チルもすぐにその場を去るだろうと思ったのですが、何と長男が文字通り兄貴風を吹かせて次男を抱え込み、写真を見て色々と説明をしていました。おぉ〜、お兄ちゃん、変わったねー。

 それからゲートを出たところに、数種類の藻が置いてありました。隣に並べてあると比較できて違いがわかりやすいものだなと思いました。

  最後にネイチャーセンターに戻り入場者証を返して帰ろうとしていると、他のお客さんがカヤネズミを見ていました。その方に末っ子が戸惑いながら近づいているので不思議に思っていると…。末っ子は、巣の中の様子が見られるように黒いカーテンをめくりました。
 どうもその方に見せてあげたいらしいのですが、人見知りなもので、無言でめくってジーっとしていました。やっとその方が気付いてくれて、「まぁ!かわいい。巣の中が見えるのね!」と言ってくれると、末っ子はニコニコで私の所にスキップで来ました。ちっちゃいけれど、ビオトープ歴は3回目で先輩だから、知っていることを人に教えてあげたかったのでしょうね。
22 数種類の藻
22 数種類の藻
少―し違うね。
23 カヤネズミ見せてあげる
23 カヤネズミ見せてあげる
黒いのめくったら、巣の中が見れるのよ。
 今回は、特別な生物の発見はありませんでしたが、3チルの変化に気付けたような気がします。特に長男。前回までは大きな動きのある生物にしか興味を持たず、根気のいる観察などは苦手で、すぐに飽きて先に先に進もうとしていました。しかし今回は、資料の一つ一つを熱心に見るようになり、下二人にも見せたり説明したり。これが年齢によるものなのか、見学の回数を重ねて興味を深めたことによるものなのかはわかりませんが、どちらにしても嬉しい成長でした。長くなりすぎてすみません。

 次回の見学・秋編も楽しみです!
記:矢野貴子
 <(株)門司造園>
(13/11/08掲載)
 
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